はじめに
こんばんバス!
1日ぶりに更新です!
「ヴォイス」作品情報
Title: ヴォイス
Release date: 2001/10/17
Tracks:
1. ヴォイス
作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
2. Swing
作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
3. ライオン(LIVE!)
作曲:ハルイチ 編曲:シラタマ
オリコン週間ランキング初登場: 2位(最高位)
累計売上枚数:34.9万枚
作品概要
「アゲハ蝶」以来4ヶ月ぶりにリリースされたシングル。このシングルからメンバーの名前が漢字表記になっている。
が、ベースのTamaだけは次作「幸せについて本気出して考えてみた」から"Tama"表記になったので、本名で表記されているのはこのシングルのみ。
また、プロデューサーの本間さんもこのシングルのみ"本間昭光"表記となっている。
「サウダージ」から「アゲハ蝶」まで、3作連続でオリコンシングルランキング1位を獲得していたが、今作では2位だったため記録は途絶えた。
この3作連続1位はポルノの連続1位獲得記録の中で最長。
全曲レビュー
「ヴォイス」
この曲は秋のど真ん中にリリースされたので、秋のイメージがすごくありますが、内容は別に秋でも何でもないです。
小学校6年生の秋でしたね。運動会のシーズンでした。ANNで披露された音源をMDに録音して何度も聴いていました。MDに。
小6の僕は歌詞の意味はあまり理解できていなかったように思います。
それ以前に、本間さんの曲でバラードっていうパターンが初めてだったので、本間さんもこういう地味な曲書くんだなと思っていました。
この歌詞は、晴一が歌詞作りに行き詰まった時にできたらしいです。
だからなのかは分かりませんが、晴一の真骨頂とも言える、疑問文が非常に多い。
先日のカフェイン11でも、自分の歌詞には疑問文が多いと言っていて、自覚していることが判明したばかりです。
ということで、今回は疑問文だけをピックアップして歌詞を解釈していきたいと思います。
僕の名前を呼ぶのは誰?
1行目から疑問文です。
どこからか、誰の声なのわからないけど自分の名前を呼ばれていることはわかる。
ここだけ聞くとホラーですがそういうことではなく。
自分をどこかへと導く「声」、出会うべき人の「声」が、この曲のタイトル「ヴォイス」の指すものだと思います。
僕のことを知っているのかい?
気になって直接問いかけてしまいました。
きっと誰かに逢いたくて逢いたくて逢いたくて
僕は此処にいるんだ ねぇそうだろ?
震えていた頃の西野カナくらい逢いたがっていますが、この主人公はもう此処にきてます。
震えてるだけじゃありません、もう来ちゃってます。行動派です。(そもそも震えてもない)
「ねぇそうだろ?」という問いかけ方に、初期のポルノっぽさを感じるんですよね。
何かの曲でも問いかけてたんですよ。確か。
誰か会いたい人がいて、その声まで聞こえて、「確かにいる 感じる」とまで言い切ってるのにまだ出会えてない。
ここまで聞くとやばい人なのですが、そういうことでもなく。
僕の頬に触れたのは何?
これに関しては
空からこぼれる粉雪
と自分で解決してます。珍しい。というかわかってるならなぜ聞いた。
1番Aメロが疑問文なので合わせたかったのかもしれません。
元はひとつであるはずの心は離れて
平気なはずがないのさ ねぇそうだろ?
それはそう。
なんであれ、一つのものが二つに引き裂かれるのは平気ではいられません。
それが例えパピコであったとしても。
我々人間はすぐにパピコを半分に分けてシェアしようとしますが、パピコからすれば双子の兄弟か、幼馴染の親友か分かりませんがそれくらい強い結束で物理的に繋がれている相棒といきなり引き離されて、別々の胃袋に入るなんて、青天の霹靂以外の何者でもないはずです。
この主人公もまた、声の主が見当たらず、一人ぼっちで何かが欠けたような、それこそ欠落感を感じる日々を送っているのだと思います。
そして最後
そうさ誰かに逢いたくて逢いたくて逢いたくて
僕は此処に来たんだ なぁそうだろ?
「ねぇそうだろ?」が「なぁそうだろ?」に変わってるんです。
このニュアンスをどう受け取るかは微妙ですが、きっと「ねぇそうだろ?」って聞いてる時は自分でも少し自信がなくて、誰かに確かめたかったんじゃないかと思います。誰かに「そうだよ」って言って欲しかったんでしょう。
でも「なぁそうだろ?」と言っている今は、それはきっとある程度確信に変わっていて、この声の主を見つけなきゃいけないという少し前向きな気持ちになっているんだと思います。
過去がくれたのはヴォイス 明日に導くヴォイス
君が近くにいる 届くよ
これまでの自分の経験が、これからの自分を創ってくれる、導いてくれることに気付いたのでしょうね。
結局自分自身の人生を進めるのは自分なんだと、そういうことを言ってるんじゃないでしょうか。
この曲に登場する「誰か」は、実際に将来出会う大切な人を表しているかもしれませんし、うちなる声を上げ続ける自分自身を指しているようにも思えます。
個人的には「心のヴォイス聴いて」ってことなのかなと思っています。
ということで、意外と疑問文読むだけで歌詞理解できましたね。
最後に、全然曲自体と関係ないですが、昭仁が昔「堂本剛の正直しんどい」(テレビ朝日系)に出演していた時に披露したエピソードが好きで、
コンビニに行った時に、ヴォイスのイントロのピアノの「てててて "てんっ"」のところでちょうど自分が入店してしまったのがとても恥ずかしかったらしいです。
「Swing」
これは昭仁曲の中でも屈指の名曲だと思っています。
昭仁らしい繰り返し系のサビとクセになる歌い方、その全てが好きです。
この曲ほど昭仁節が炸裂してる、そして楽しめる曲他にないと個人的に思ってます。
昭仁歌唱(特に初期の)を極めたい人はぜひこの曲を完コピしてください。
ということで私の好きなフレーズを列挙していきます。
窓を叩く雨音は弱まって
ここの「弱まって」の発音。母音の「あ」が強調されて「よわまんあって」になってるとこが好き。
少しずつ姿あらわす現実
ここの「姿あらわす」もいいんですよ。「あ」の発音。
何にもできず僕はひとりここに佇んで居ただけさ
最後のフォール加減が最高です。
薄れてゆく だけど消えない記憶なのさ
低めの「なのさ」がかっこいい。
ここら辺が特に好きです。
歌い方とは別に好きな歌詞でいうと
ふたりはきっと確かな時間重ねたはずさ
もうここから生まれるものはないだろう
これですね。
二人の時間が終わる時ってきっとみんなこう感じるんじゃないかなと思います。
もう二人で楽しい時間とか、時には辛い時間とかを紡いできたはずですけど、もうこれ以上二人でいる意味を感じられなくなる瞬間がきてしまったんでしょうね。
関係が終わる時って、「終わらせよう」とかではなく、「もう何も生まれない」が真理だと思います。
ゆらゆらと揺れるあの虹も 時が経てば消えてゆくもの そうだろ?
これは昭仁作詞ですが、こちらにも疑問文。二人ともこういう尋ね方好きですよね。
そしてこの部分では結構大きめにベースが聞こえるんですけど、こうやって不意にベースのフレーズを目立たせてくる憎い演出が3人時代のポルノにはありましたね。ここがとても好きです。
この曲は特にBメロが気持ちいいので、カラオケとかでもそこを気合い入れて歌ってしまいます。
ずっとライブで聴きたいと思っていたけどなかなかな披露されなくて、2006年のLIVE "RE・BODY"が奇跡だったんだなと、あのライブに参加できて本当によかったなと思っていたのですが、2018年の"UNFADED"でセットリストに入っていてめちゃくちゃ嬉しかったです!
"続・ポルノグラフィティ"で「Love, too Death, too」が披露された時くらい人生一区切りつきました。
また是非ともライブでやってほしい。
「ライオン(LIVE!)」
1stアルバム「ロマンチスト・エゴイスト」に収録されている「ライオン」のライブテイク。
実はこの頃私はまだロマエゴ持ってなかったので、このカップリングで初めて聴きました。
めっちゃいい曲やん!と思いました。
そしてこのライブバージョンが初期値として設定されたので、ロマエゴのスタジオテイクを聴いた時は若干違和感がありました(笑
ライブ音源先に聞いた曲あるあるですね。
曲の中盤ではライブバージョンならではのアレンジが施されているのですがそこもまたかっこいい。最後のサビがより盛り上がります。
「ライオン」の感想はこちらの記事もご覧ください!
おわりに
ということで、2日連続で更新しました!
そして、なんと、「君は100%」のレビューをうっかり忘れていたことに気付いてしまいました。
これはもう100%忘れてました!
なので、どこかでタイミングを見て書きたいと思います。たぶん!
それではまた次回。
1曲目にメンバーの顔が見えない状態で演奏始める演出がすごく印象的でした。