31st single「君は100%」【ポルノグラフィティ全作レビュー#59】
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はじめに
こんばんバス!
10月にうっかり忘れていたこの作品を紹介します!
「君は100%」作品情報
Title: 君は100%
Release date: 10/10/6
Tracks:
1. 君は100%
作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
2. 煙
作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 編曲:tasuku, ポルノグラフィティ
3. GET IT ON
作詞:Marc Bolan 作曲:Marc Bolan 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
作品概要
『瞳の奥をのぞかせて』以来8ヶ月ぶりのシングル。
アルバム『∠TRIGGER』リリース後初のシングル。11th Live Circuit"∠TARGET"にて初披露された。
カップリングの「GET IT ON」はサントリー・ペプシNEXのCMソングとして起用された。
T・レックスの「Get It On」のカバー。カバー楽曲がシングルに収録されるのはこれが初めて。これ以降も収録されていない。
全曲レビュー
「君は100%」
"∠TARGET"の福岡公演で初めて聞いた。リリース前の新曲をライブで聞くのは初めてだったのでとても嬉しかったのを覚えている。
イントロの爽快なギターと、ドンドコいっているドラムのフレーズがとても印象的だなと思った。
というか最初聞き終わった時にはドラムの印象しかなかった(笑
昭仁の作る曲は、本人も自覚していたようにファーストインパクトに欠けることが多いのですが、この曲に関してはなかなかキャッチーでいいなと思った記憶があります。
この曲で話しておきたいことは3つだけあります。
1つ目は2番終わりのCメロ。
大きな帆を立て 航海に出よう ガイアの果て
東西南北を夢中で駆け回り 自分だけ知る楽園へと
他の曲でも話した気がしますが、岡野くんはCメロでいきなりスケールのでかいことを言い始める傾向がありまして。
例えば「ワンモアタイム」のCメロでも
遠くに一つ輝く星の
果てなき時間と比べてみれば
傍に 傍に あるよ
もそうですし、「9.9㎡」のCメロ
大きな海原 優雅に漂ってる
鯨の鳴く声は 寂しくて叫んでいる?
とかもそうなんですけどね。
やたらと宇宙とか大自然みたいなスケールのでかい、人間の手には負えないようなものを引き合いに出して、それをフックに結論に至ったり大きな気づきを得たりするというのが一つの特徴だとおもいます。
それまでは割と庶民的な話をしているのに、いきなりスケール感のあること言い始めるのがなんか面白くて好きです。
Cメロではないのですが、「夕日と星空と僕」のラストサビの本当に最後のフレーズで
この世界はとても広く
素晴らしい愛があるはずだから
というのも非常に昭仁らしいなと思います。
それまで具体的な失恋の話をしていたのに、いきなり世界は広くて素晴らしい愛があるという漠然とした一般論に行き着くあたりが。
これが昭仁節かもしれません。
2つ目は、ギターソロ。
ずっと思ってたんですけど、このギターソロってなんか聞いてて不安になりませんか。
うまく言葉にできないんですけど、中盤、7小節目くらいまで不穏な空気の漂うメロディになっている気がするんです。
最後の3小節くらいでサビに向けて明るい感じに転換するんですけどね。
晴一のギターソロは基本的に好きなんですが、このフレーズはいまだに納得いってないというか(笑
まぁ、主人公の不安みたいな気持ち、そしてそれが前向きに変わっていく様を表しているのかもしれませんけどもね。
3つ目は。
ラストサビの昭仁のファルセットです。
なんでこれをOKテイクにしたんでしょうか?(笑
いくら苦手だからといっても流石に……というクオリティのファルセットだなと当時から思っていました。
ファンの皆さんはどう思っているのでしょうかね。
最近の昭仁くんはファルセットがかなり上達していますので、是非とも今の歌唱力で再チャレンジしてほしいです。
歌詞について
この曲は昭仁の作詞で、タイトルのみ晴一が考案したということになっています。
100%うまくいくという人生ってどうなんだろう?
という問いに対する私の答えは、
「100%うまくいくならその方がいいに決まってる」
です。
学校のテストとかでも、100点が取れるならそれに越したことはないじゃないですか。
中学生や高校生が目標設定するときに、次は80点以上で、とか言うじゃないですか。
なんで100点じゃないのでしょうか?
僕も学生時代に100点なんてまともに取ったことないですけど、100点を目指して勉強するから成長するんじゃないかなと思うんですよ。
オリンピックに出る選手が、"銅メダル狙いで"と言って練習するのでしょうか。もちろんそう言う人もいるとは思いますが、心の中では金メダルを狙っていると思います。
ましてやオリンピックと違って、100点なんて何人でも取れるわけですから、とりあえず100点を目指して勉強すればいいと思うし、その結果70点だったり80点だったりしたら、後の20点とか30点の何が足りなかったかを顧みればいいと思うんですよ。それできっと次の成長に繋がると思いますしね。
80点を目標にしている人は、80点取れてしまったらそこで満足してしまって残りの20点を反省することがないんじゃないかと思います。
それは結果的に自分の成長を止めることにつながると思います。
と言うことで、人生においても100%うまくいく、自分の思う100点を出せるならその方がいいとは思っています。
ただ、100%うまくいかない人生だって失敗じゃないですからね。
うまくいかない理由を考えて、自分なりに工夫して改善する、そう言うプロセスを経験することは将来的に自分の強みになると思います。
歌詞でいうところの「宝物」になるのは間違いないと思います。
なので個人的には、100%うまくいくことを目指した方がいいけど、うまくいかない場合でもきちんと向き合えば成長につながる、と思っています。
あーだこーだ言いましたが、最後に
一人じゃない
と昭仁が言ってくれたら、純粋に「そうなんだ!一人じゃないんだ!」と勇気をもらえるのでこの曲は最高です。
煙
今ではお馴染みとなったtasukuさんアレンジ楽曲が初めて登場したのがこのシングルでした。
「煙」は本当に隠れた名曲だと思います。
メロディもいいし、歌詞も晴一節が炸裂してていいです。
そしてアレンジもいい。
tasukuさん自身がギタリストと言うこともあってか、表題曲の「君は100%」に比べてめちゃくちゃギターが聞こえるアレンジになっています。
ポルノの曲ってサビになるとギターが消えるような曲が多いんですが、この曲はずっとギターがいます。
イントロからAメロ、Bメロ、サビ、そして最高にかっこいいギターソロ。
ギタリストが作った曲をギタリストがアレンジするとこうなるんだと言うことを見せつけられた1曲です。
歌詞については好きなところが2つあります。
1つ目は
不確かなもので出来てる 煙のような自分自身
これです。
自分自身の不確かさ、自分ってなんだろうな気持ちを「煙」に例えるセンス、すごくしっくりくる比喩だなと思います。かっこいいので好きです。
2つ目は
人が笑い顔を覚えたのは
近づかれた時の警告なんだろう
ここは最初あまり意味がわかっていなかったのですが、最近晴一が何かで話してたんですよね。(忘れてしまいましたが)
自分の領域の中に入り込まれないために、愛想笑いのような笑顔で対応しながら、ここから先には入ってこないでくださいねと言うラインを引くみたいな。
そう言う意味だと言っていて、なるほどと思いました。
いや、本人はもっとわかりやすく言っていたと思いますけども、この程度の理解ですみません。
あと、サビの最後の
嫌っている 逃げているところだ
の部分は昭仁の歌い方がとてもかっこいいので好きです。
この曲は多分ライブで聞いたことがないので、いつか言いてみたいです。
"続・ポルノグラフィティ2"みたいなのがあったらぜひ入れてほしい。
GET IT ON
シングル収録としては初のカバー曲。それ以前も布袋寅泰さんの「POISON」をカバーしたりはしてましたが、ポルノ名義の作品にカバーが曲というのはこれが初めてです。
ペプシNEXのCMソングで、本人も登場していたのでよく覚えています。
本人出演のCMってこれが最後じゃないですか?
Perfumeも出てましたね。洋楽をカバーするというコンセプトのCMでした。
"Get It On"がポルノに合っているチョイスなのかはよくわからないのですが、なかなか聞くことができない昭仁の英語歌唱をCD音源化できたという点においてはとても貴重な作品だと思っています。
曲の構成としては、Aメロとサビが繰り返されるという洋楽にありがちな流れになっています。
最近になって思うことですが、ポルノもこの手の曲を自分たちで作ったりしますが、それはきっとかつて聞いていた洋楽への憧れみたいなところがあるのかもしれないなと思いました。
この記事を書くにあたって5年以上ぶりに聞きましたが、昭仁の「げりろ〜ん」はなかなかクセになりますね。
おわりに
ということで、忘れていた「君は100%」をようやく書くことができました。
「君は100%」よ、ごめんなさい。
これにて全てのシングル、オリジナルアルバムをレビューすることができました。
ベストアルバムと今年リリースされた『暁』については、後々必ず書きたいと思っています!
リリース日に記事を更新するというあの日の約束は果たせない時もありますが、なんとか最後まで書き切れてホッとしています。
1回でも読んでくれた方、本当にありがとうございました。
これからも何回でも読んでください!
"∠TARGET"で披露された時の印象が強いのでこちらは是非見てください。