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3rd album「雲をも摑む民」【ポルノグラフィティ全作レビュー#15】


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3rd album「雲をも摑む民」【ポルノグラフィティ全作レビュー#15】

はじめに

こんばんバス!リンクです!

前回3日ぶりの更新です!
3月もいよいよ残すところあと5日。
今月紹介する作品も、残り2つとなりました。

「雲をも摑む民」作品情報

Title: 雲をも摑む民
Release date: 2002/3/27
Price: ¥3,204(tax in)

Tracks:
1. 敵はどこだ?
 作詞:新藤晴一 作曲:Tama  
2. ラスト オブ ヒーロー
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 
3. アゲハ蝶 (Red Mix)
 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma 
4. ハート
 作詞:新藤晴一 作曲:Tama  
5. Aokage
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 
6. クリスチーナ  
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
7. n.t.
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
8. ヴォイス
 作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
9. パレット
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 
10. 幸せについて本気出して考えてみた(アルバムバージョン)
 作詞:岡野昭仁 作曲:Tama  
11. ニセ彼女
 作詞:新藤晴一 作曲:Tama 
12. ビタースイート
 作詞:新藤晴一 作曲:Tama 
13. 夜はお静かに
 作詞:新藤晴一 作曲:Tama 

All songs arranged by ak.homma, Porno Graffitti(M-3,8除く)

オリコン週間ランキング初登場: 2位(最高位)
累計売上枚数:49.2万枚

作品概要

前作「foo?」から約1年ぶりにリリースされた3枚目のアルバムです。

「foo?」ではメンバー3人と本間さんがバランス良く作曲を行っていたのですが、本作では晴一作曲の作品が収録されています。 作曲の分担は以下の通りです。

作曲 曲数
Tama 6曲
ak.homma 4曲
岡野昭仁 3曲

Tama作曲の作品がほぼ半分、本間さんと昭仁が同じくらいという感じですね。
徐々にTamaをメインのソングライターにしようとしていたのかもしれませんね。

作詞の分担は以下の通りです。

作曲 曲数
新藤晴一 10曲
岡野昭仁 3曲

こちらは逆に晴一作品の割合が多くなっていますね。

全曲レビュー

「敵はどこだ?」

イントロがすごくかっこいい。
この1曲でアルバムの世界に一気に引き込まれますね。

歌詞は、2001年9月11日に起きたアメリカの同時多発テロを踏まえて書かれています。
いわゆる反戦歌という類の曲になります。

銃を渡され、敵に狙いを定めては見たものの、相手も同じ人間であること、愛する人がいることを考えてしまい、果たしてこれが正義なのか、正義とは何なのか、そんな問いを繰り返す兵士の気持ちを歌っているのかもしれません。

戦場で人と人が対峙した時、相手を銃で撃ち抜くことに何の意味があるのか。
僕は何の意味もないと思いますし、望んで引き金を引く人なんて、いないんじゃないかと思っています。
戦争を始める人は、その人なりの正義を貫いて戦争を始めますが、その決定に従わなければならない人たちはきっと戦争を望んでいないはずです。
そういう、戦争を始めようという人と、実際に戦場で戦いを強いられている人の温度差みたいなものがこの曲では間接的に描かれているのかなと思いました。

アウトロの、一瞬静かになって激しくドラムが再開するところは、寝てる時に聞いてるとかなりビビります。

「ラスト オブ ヒーロー」

このアルバムの中でも結構地味な方の曲だと思うんですが、驚くことに本間さん作曲なんですよね。
なんか、こういう曲ってメンバーが、それこそ晴一とかが作りそうなんですが(勝手なイメージです)、本間さんが作っているということに最初かなり衝撃を受けました。

歌詞はとてもユニークですね。
ヒーローが市民に対して皮肉を飛ばしているという設定が晴一らしいなと思いました。

ヒーローに守ってもらうことに慣れ過ぎてダメになってしまった大人たちに、もっと自分の頭で考えて、行動して、まずは自分の力で大事なものを守ってみろよと言ってるんですよね。
これは現代社会に生きる大人だったり、平和ボケしてるとも言われる日本人に向けられたメッセージなのかもしれませんね。

ただ諦め その向こうで指をくわえている奴を
身を呈して 守ってやったりしない お話にもならない

「お話にもならない」ってとこが特に好きです。

そして最後の

産まれ見ぬ 子供たちよ いずれ父に聞いてみなさい
僕らの時代に なぜヒーローはいない? 誰が殺したかと

ってところにハッとさせられますね。
これは遠回しにヒーローを殺しているのは今を生きている自分達なんだと気付かされます。

地味ではあるのですが、改めてじっくり聴きたい曲でもありますね。

「アゲハ蝶 (Red Mix)」

www.youtube.com

こちらは6thシングル「アゲハ蝶」のアルバムバージョンです。
シングルでは打ち込みだったパーカッションが生音になっているんじゃなかったかな?
聴き比べるとドラムの音とかが結構違うのでわかると思います。

このアルバムに収録されているシングル曲の中で最も売れた曲ですね。

こちらの曲についてはシングルレビューの際に詳しく話したいと思います!

「ハート」

これはもう3人時代の名曲ベスト10に入ること間違いなしの1曲です。
「敵はどこだ?」と同じ人が作詞・作曲してるとは思えないですよね。
この振り幅がポルノグラフィティですよ。

ねぇ君 見てごらん これが僕のハートだ

という入りが既に晴一だなぁという感じ。ハートなんて見えるわけないじゃんと私のような凡人は思うのですが、晴一くらいになるともう初っ端から見せちゃうんですよ。

ハートが傷ついているということは、何かしらショックな出来事があったんでしょうね。

愛していたのは本当だから

ということは、愛していた人と別れてしまった、もしくはいなくなってしまったのかもしれません。

その記憶にまけないように
頑張って 頑張って 弱いこの僕

愛する人との記憶は幸せなものでもあり、でも今思い出すには辛すぎるということなんでしょう。
そんな記憶を思い出す苦しみのようなものに「まけないように 頑張って」いかなきゃいけないんでしょうね。

個人的に一番好きなフレーズは

一人で 見るのが 夢だなんてね

というとこですかね。切ないけど、かっこいいですね。

そして 口うつしでキャンディをひとつぶ
あげたら 駆けてって はしゃぎだすだろう

っていうところは、最初聞いた時から、キャンディをもらったハートが「ひゃっほーい」とか言いながら無邪気に駆け回ってジャンプしている様子を想像してしまいます。
全然この曲のイメージと違うなと思いいつもかき消しますが、聞くたびにそんなイメージをしてしまいます。

この曲については他の人の解釈を聞いてみたいところです。

「Aokage」

ここから作詞・作曲:岡野昭仁シリーズです。 地元の地名出てくるシリーズですね。

因島にある青景トンネルがタイトルの由来です。

「Aokage」はこのアルバムの中でもめちゃくちゃ聴きましたね。
昭仁の曲ならではの曲になるサビと本間さんのおしゃれなアレンジの相乗効果で、かなり中毒性の高い曲に仕上がっていると思います。

待ち合わせに遅れた男と、それに怒っている彼女の間に流れるちょっと険悪な雰囲気がすごく伝わってきます。
別に彼女もそこまで怒っているわけじゃないんだけど、普通に話す気分にも慣れないし、男の方も自分が遅れたのが悪いわけだから、ちょっと大人しくしとこうかなっていう、まぁ良くある状況ですよね。

この歌って、結局彼氏が遅れて、彼女が怒って、そのまま歩き出すけど、青景トンネル抜けたら青い海が見えるから機嫌直してねっていうだけの、特に何も起きてない歌なんですよね。多分back numberくらい話が進んでないと思います。

でも自転車で彼女のところに向かう様子とか、その後の少しギクシャクした様子とか、その時の心情とか、その全部がイメージできるし、すごく微笑ましい気持ちになりますよね。
この曲のそういうちょっとほんわかした雰囲気が、因島という場所の空気とリンクしているのかもしれませんね。因島行ったことないですけど。

これもまた、昭仁の曲だけ集めたベストアルバムを作るとしたら必ず入れたい楽曲です。

「クリスチーナ」

初めて聞いた時は何じゃこりゃ?と思いました。

リリースから20年、今改めて聞いても同じことを思います(笑

昭仁は時々こういうノリと勢いだけで作ったような曲を出してくるクセがありますよね。
「空蝉」とか「Mr.ジェロニモ」とかもそうだと思いますけど。特にサビがキャッチーなわけではないけど、その勢いに押されてなんか最後まで聞いちゃうっていう。

これもまぁアルバムの1曲としては全然いいと思います。
当時は特に引っ掛からなかったですけど、"74ers"のアンコールで歌っているのを見たら、ちょっといいなと思いました。

今の昭仁にライブで歌ってほしいなとは思いますね。

ちょっと気になるシャレたお店も
縦列駐車はまだやばい止めよう… 

ってとこがかわいくて好きです。

「n.t.」

岡野昭仁シリーズの締めくくり、「n.t.」です。

これも当時はそこまで引っ掛からなかったですが、時間をかけて少しずつ好きになっていった曲ですね。  

この「雲をも摑む民」というアルバム自体が、結構内向的というか、ポルノグラフィティにしてはPOPしてない作品だと思っているんですが、「n.t.」はまさにその象徴とも言える曲じゃないですかね。

何というか、やり場のない気持ちを吐き出した感じ、そんなこと考えても仕方ないじゃんというようなことをうだうだと言ってる感じがすごく昭仁ですね。(いい意味で)
人間の持ってる不安とか苛立ちとか、絶望とか、そういう負の部分を時にすごくストレートに表現してくるので、そういう歌詞を見ると「昭仁くん大丈夫なのかな?」と思ってしまうのですが、それが岡野昭仁なりのロックなんだと思います。

この曲はすごくロックですよ。
岡野昭仁を象徴するような1曲だと思ってます。

「ヴォイス」

www.youtube.com

これは2001年10月にリリースされたシングルの表題曲ですね。
僕が小6の秋でした。とても懐かしい。
当時のポルノグラフィティとしては珍しいバラード曲。
シングルとしては初めてでしたね。本間さんらしい曲だなぁと思っています。

この曲についてはシングルのレビューでたくさん語ることにしましょう。

「パレット」

ここまで結構重めな、濃いめな曲が続いていたので、突然の「パレット」に救われますね。
ドラムで始まるイントロが好きです。 

「パレット」はこのアルバムの中でも1番の名曲だと思います。
この曲があるからこそ、このアルバムが一本芯の通った作品になったんじゃないかとさえ思います。
それくらい、当時のポルノグラフィティにとってキャッチーさとか、ポップさみたいなものは大事な要素だったんですよ。
確かに、この曲以外の、メンバーが作った曲もそれはそれでとてもポルノグラフィティですし、「ハート」や「Aokage」のように好きな曲もありますけど、個人的にはこういう本間さんの作ったキャッチーな曲とポルノグラフィティというバンドの相性の良さというか、個性的な楽曲に魅力を感じていたので、「パレット」はそういう僕みたいな人の心にめちゃくちゃストレートに奥深くまで刺さったと思います。
このキャッチーでポップな楽曲、本間さんありがとう、と思いました。

歌詞もまた素晴らしい。

およそ恋が生まれて消えた まぁそういうところだろう

めちゃくちゃ晴一じゃないですか。

パレットの上の青色じゃとても
描けそうにない この晴れた空を

空の青さについての例えに、新たな歴史の1ページが追加された瞬間ですよ。
彼は後に空の青さを、「泣きたくなるほど青さ」と表現しているのですが、「泣きたくなる」という感情的な描写で青さを説明しているこのフレーズとは対をなすような表現ですよね。

パレットの上でどんなに絵の具を混ぜ合わせたってこの青は作れないぜっていう。
今の空の青さは、今しか見られないんだから、しっかりその目で見つめてよっていうことですよね。かっこいい。

そして、次

君ひとりじゃ持ちきれないのなら
僕が半分持っていてあげるから
いつか取りにおいで

ここです!
「僕が半分持っていてあげる」のが晴一なんですよ。
ここで待ってるから、取りにおいでねっていうスタンスですね。
半分持っていてあげるから、君が持ってる半分を運んだ後にでも取りにおいでよ。
僕はここで待ってるよっていうことですよね。最終的に持って行くのは君なんだよっていう。
ここテストに出るので覚えておいてください。

そしてそして、2番の歌詞がもうやばいです。

変わらずそこにあるものを歪めて見るのは失礼だ

人以外の生き物や物、抽象的な概念にさえ礼儀を重じんるのが晴一という男です。
彼はこの次の曲で「僕は幸せに対して失礼だったみたい」とも言っていますからね。

この流れからの、僕が一番好きなフレーズがこちら。

だって知っている言葉はほんのちょっとで
感じれることは それよりも多くて
無理やり 窮屈な服 着せてるみたい

これですよ。もう、このフレーズめちゃくちゃ好きです。
どうしたらこんな言葉が思いつくんでしょう。
今から因島に移住して18年間くらい住んだ後、大阪でバンドを組み、東京でメジャーデビューすれば私もこんな歌詞を描けるようになるんでしょうか。

彼は言葉を大事にするギタリストですからね。
自分の考えをどうやったら端的に、的確に表現できるか、きっと常に考えていると思います。
それでもどうしても言い表せないこともあるんでしょうね。まぁ誰にでもありますよね。
人それぞれの表現力の問題でもあるかもしれませんが、"そもそも知っている言葉はほんのちょっとじゃん"って思ったことはなかったですね。

確かに、知っている言葉だけで、全ての気持ちや、出来事や、状況などを表現できるわけない気もします。
とりあえず知っている言葉で表現していても、それはどこかしっくりこなくて、まさに「無理やり 窮屈な服 着せてるみたい」な違和感があるんですよね。

この3行は本当、後世に伝えるべきフレーズだと思います。  

この曲の14年後にリリースされる「My wedding song」という曲で

ありがとうに入りきらない ありがとうを今あなたへ

というフレーズがあります。
これもちょっとパレットと同じようなものを感じましたね。
「ありがとう」という言葉だけでは足りないほどの気持ちを表しているという点で。
10年以上経っても同じようなことを考えているんだなぁと、勝手に共通点を見つけた気持ちになって嬉しくなりました。

アウトロの「トゥルトゥル」言ってるところは実際に歌うと意外とむずいですね。
"74ers"で披露したときに、Tamaも含めて3人で「トゥルトゥル」してたのが印象的でした。

「幸せについて本気出して考えてみた

www.youtube.com

(アルバムバージョン)」

8thシングル「幸せについて本気出して考えてみた」のアルバムバージョンです。
イントロがサビの一節から始まる形に変更されています。
ライブではこちらのバージョンで披露されることが多い気がしますね。テレビでもこちらで披露されていたかな?

「幸せについて本気出して考えてみた」についてはこちらの記事で語っていますのでぜひご覧ください!

factorial.hatenablog.jp

「ニセ彼女」

「ニセ彼女」は絶妙な位置に配置されてますよね。
本当に絶妙な曲です。歌詞は晴一のユーモアに溢れていると思います。
自分が怒らせてしまった彼女のことを「ニセ彼女」呼ばわりするっていうのは面白いです。

彼女についてのことなら 僕はスペシャリストだ
ママにだって見せないところ くまなく知っているし

ここが全てだと思うんですよね。
彼女を怒らせてはいるけど、まぁ彼女のことは自分が一番知っているんだという、彼の気持ちも伝わってきます。

ただ この新たな一面には 確かに戸惑っている

という2番のサビからすると、もしかしたら初めて怒らせてしまったのか、もしくは今までにないくらい最上級に怒らせてしまったのかもしれません。

なんで怒ってるかも知ってる… 

本当に知ってるんですかねぇ。
男が彼女を怒らせる時って、大体怒ってる理由が不明のことが多いと思うんですよ。
彼女は言わなくてもわかってほしいし、彼氏は言ってもらわないとわからないし、それでさらに拗れるのが喧嘩というものだと思っているんですけど。
思ってることを適切に言語化できてれば喧嘩にまでは発展しないと思うんですけどね。

まぁそれはいいとして、この彼は本当に彼女の怒っている理由がわかっているのか、チョコやるのは逆効果かもしれないので気をつけてほしいところですね。

「ビタースイート」

失恋した男の心情を歌い上げたロックナンバーですね。

そして彼女の口から零れた切実な一言を覚えていない

切実な一言ってどんなんだったんでしょう。
普通に「別れましょう」とかじゃなかったんですかね。

彼女を壊してしまうもの全てから
守ろうとしてきて僕が壊していた

とも言ってますから、もしかしたら何かしら彼女を苦しめてしまっていて、その苦しさに耐えきれなかった彼女が「切実な一言」を漏らしてしまったのかもしれません。

守ろうとしてきて壊してしまうというのは、残念ながらよくあることかもしれませんね。
自分は良かれと思っている行動のせいで、相手に何か無理をさせてしまったりして、一緒にいて相手のことを思っているし、相手もそのことはわかっているんだけど、溝が少しずつ広く深くなってしまう、みたいなことは男女の関係にはよくあることじゃないでしょうか。
これもまた、適切な言語化によって多少は回避されるのかもしれないですが、そもそも価値観が違ったりするとどうしようもありません。

分からない物に理屈をつけてきたのが間違ってた

わからないのに無理に解ろうとして、それっぽい理由をつけてわかった気になって、そしてすれ違っていったのかもしれませんね。  

「男のクセして」泣いたりしている彼ですが、最終的には

その娘はいい娘さ よろしく

と言っているところが、少し切なくも、潔くて好きです。

「夜はお静かに」

このアルバムは僕が中1になる春にリリースされたので、中1の1学期くらいはめちゃくちゃよく聴いてました。 夜寝る前に聞くのですが、この曲まで来ると、あぁもう寝る時間だなと思うんですよね。

いくじなしの僕のことなら

の部分が好きです。この頃の昭仁はまだあまりファルセットが得意じゃないのですが、それもまたいいです。

これいつかライブでやってくれないかな(笑

おわりに

今回は3rdアルバム「雲をも摑む民」を紹介しました。

このアルバムは前の2作「ロマンチスト・エゴイスト」、「foo?」に比べると少し大人しいというか、地味な曲が多い印象です。
本間さんはアルバム曲を2曲しか書いてなくて、それ以外は全部Tamaと昭仁なんですよね。
Tamaはポップな曲からロックな曲、明るい曲から思い曲まで割と振り幅広く作れる作曲家だと思うのですが、このアルバムに収録されている曲は結構ロック寄りだったり、重めの曲が多く、それまでのポルノグラフィティの印象からするとちょっと意外な、それこそ「新たな一面」を見せられたなという気持ちになりました。
このアルバムを初めて聴いた頃の僕はまだポルノグラフィティの音楽性を理解している途中だったので、少し戸惑った記憶もあります。

昭仁の作る曲も、「Aokage」のようにクセになる曲もあれば「クリスチーナ」や「n.t.」のように気持ちをぶちまけるような曲もあって、当時はまだあまり昭仁曲がリリースされていない頃だったので、その音楽性を受け止めるのに時間がかかったような気がします。

ここに晴一が作るポップなロックナンバーが加わればまたアルバムの印象もガラッと変わったかもしれないなぁと思います。

でもこのアルバムの割と大人しめな部分は結構好きで、夜寝る前に聞くのが好きでした。
嫌なことがあっても忘れさせてくれるような、そういうアルバムですね。



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