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28th single「この胸を、愛を射よ」【ポルノグラフィティ全作レビュー#36】


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はじめに

こんばんバス!

毎年9月8日はポルノのメジャーデビュー記念日ですが、2009年9月9日は「ポルノの日」でした!

この胸を、愛を射よ」作品情報

Title: この胸を、愛を射よ
Release date: 2009/9/9

Tracks:
1. この胸を、愛を射よ
 作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一
2. ダイヤモンド
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁

全編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ

オリコン週間ランキング初登場: 2位(最高位)
累計売上枚数:6.5万枚

作品概要

2008年12月の「今宵、月が見えずとも」以来、9ヶ月ぶりにリリースされたシングル。   デビュー10周年を迎えた2009年9月8日の翌日、2009年9月9日にリリースされた。
当時は「2009年9月9日はポルノの日」と言っていて、MVを集めたDVDも同時発売された。

全曲レビュー

この胸を、愛を射よ

www.youtube.com

この胸を、愛を射よ」とはなかなか珍しいタイトルですよね。
もともとカタカナタイトルのシングル曲が多かったポルノグラフィティ
その理由は「ハイカラだから」と、「シスター」リリース時に出演していためざましテレビのインタビューで晴一が答えていました。
ですが、2008年くらいから日本語タイトルの曲も増えてきました。
あなたがここにいたら」、「痛い立ち位置」、「今宵、月が見えずとも」ですね。

その「今宵、月が見えずとも」に続いてリリースされたのが「この胸を、愛を射よ」でした。
今見てもなかなかユニークなタイトルだなと思います。
命令形ですしね。
胸だけならまだしも、愛を射よと命令してることで、タイトルの抽象度がぐっと高くなっています。

この曲のテーマは、おそらく自己犠牲だと思います。
自分を犠牲にしてでも大切な人のことを守ろうとする気持ちが歌われています。
1番も2番も、シチュエーションは違えど、そういうことを言っていますよね。

10周年の節目にこの曲をリリースするというのは、どういう意味があるのか、当時は少し疑問でした。
感謝してるぜ!だったり、俺たちはこれからも進んでいくぜ!だったり、めでたいぜ!だったり、そういうことを歌いそうなのが10周年だと思っていたのですが、ここで自己犠牲をテーマにした楽曲がくるとは意外だなと。

この曲はもともと「One Way Ticket」というタイトルで、これまでの活動やこれからの活動を、片道切符の列車の旅に例えた内容になっていたそうです。
"ロイヤルストレートフラッシュ"の終盤でのみ披露されたということで、私は実際には聴いたことがありませんし、音源化もされていません。

そこからこのテーマに変わったのには、訳があるらしく、それはウィキペディアなどに書いてあるので、読んでいただければいいのですが。

この胸を、愛を射よ - Wikipedia

個人的には、ポルノグラフィティがこれまでの10年を振り返って、自分達を全力で応援してくれた人たちのために、命をかけて音楽をやっていくぜ!って言ってる曲だと思います。

「TVスター」でも言ってましたが、彼らは「身を切って作って」るんですよね、音楽を。
それは、自分の人生を、命をかけて、一曲を作り出してるってことで、それをこれからも続けていくんだという決意表明している曲が、「この胸を、愛を射よ」なんだと考えています。

それが、初の東京ドーム公演・"東京ロマンスポルノ'09~愛と青春の日々~"で掲げられた「一生懸命」というとてもシンプルな一言につながっているんじゃないかと思います。

「シスター」の記事でも書きましたが、ポルノグラフィティを一度だけやめようと思ったことがあるけれども、それでも続けることを選んでくれたから今もポルノグラフィティがあるわけです。
それだけでもありがたいことなのに、こうやって音楽を通じて僕らに約束をしてくれて、その約束を今も守り続けてくれていることに、感謝しかありません。
ポルノグラフィティの音楽を聴き続けられるというのは、決して当たり前のことじゃなく、たくさんの奇跡の延長にあることなんだと思います。

僕はこの曲の最後の歌詞が好きです。

本当は君のために出来ることなどなくても
他の誰より強く思っているのは本当
ほんの少し勇気が必要な時には
いつだって君のほんの少しになろう

特に最後の2行がいいですね。

「君の力になる」とか、「君を助ける」とかじゃなく、「ほんの少しになろう」なんですよね。

このフレーズには、大切な人を思う気持ちが、ほんの少しどころか、ぎっしりと詰まっていると思います。

もっと大げさに言うことだって出来ると思うけど、そうは言わない謙虚さとか。
些細なことでもいいから、自分ができることならなんでもするよという、優しさ。
めちゃくちゃ困った時に助けてくれるのはもちろんありがたいのですが、ほんの少し寂しいとか、ほんの少し心細い、みたいな、その「ほんの少し」を埋めてくれる人は、人生でそう現れませんよね。
だって、その「ほんの少し」の空白に気づいてくれるってことは、それだけ近くで、自分のことを気にかけてくれてる、理解してくれてるってことですからね。

この押し付けがましくない優しさが、晴一らしいし、ポルノらしいなと思いました。

最後に全然関係ない話をしますが、1番と2番のサビの最後。

輝く明日が君に訪れるまで

新たな朝日が君を揺り起こすまで

を「輝く朝日」と「新たな明日」に間違えてしまうのは私だけでしょうか。   なんか、言い回しとしてはこちらの方が自然な気がして、歌うといつも間違えそうになります。

だって、朝日って輝いてますよね?

「ダイヤモンド」

「ダイヤモンド」は隠れた名曲だと思ってます。

まず

キャンパスの食堂のパスタ 茹で足りずパサついてました

ここめっちゃクセになる。
そして全体的に「ですます」調の歌詞がクセになる。
昭仁はちょっとふざけたい時というか、羽目を外したいときは「ですます」調になる傾向がありますね。

学生時代やインディーズの頃の、くすぶってた頃のことを思い出して作った曲だそうです。

その雰囲気がめっちゃ出てる。

この曲がリリースされた時、僕は大学2年で、まさにキャンパスの食堂で茹で足りずパサついたパスタを食うような日々を送ってたんですよ。
やりたいことはあるのに、何も行動に移せていないみたいな。好きなことはあるのに、それと向き合うことができないみたいな。
誰にでもありますよね、そういう時。

僕は今 自由に進めるはずなのに
同じ場所をずっと廻り続けてる

まさにそういう感じでした。

そんな私に、寄り添ってくれて少しの希望を与えてくれたのがこの曲ですね。

ミュージシャンとして成功した男・岡野昭仁がこれを歌ってるんだから希望しかないじゃないですか。

昭仁にだってそんなときがあったんだから、誰にだってそんなときはあるさと。

本当にいい曲です。

最後に、「人いきれ」という言葉をこの曲で初めて知ったのは私だけではないはず。

おわりに

10周年の記念シングル、「この胸を、愛を射よ」を紹介しました。

僕はこの23年間、ポルノの音楽に胸を射抜かれ続けてますけどね!

9月は豊作です、またすぐに記事を書くのでお楽しみに!



このライブの「この胸を、愛を射よ」はすごく印象に残ってます。