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15th single「シスター」【ポルノグラフィティ全作レビュー#35】


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はじめに

こんばんバス!

ポルノグラフィティは今日でメジャーデビュー23周年を迎えました!
めでたい!

「シスター」作品情報

Title: シスター
Release date: 2004/9/8

Tracks:
1. シスター
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma
2. Human Being
 作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一
3. 天気職人
 作曲:新藤晴一 編曲:岡野昭仁

全編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ

オリコン週間ランキング初登場: 2位(最高位)
累計売上枚数:24.5万枚

作品概要

メジャーデビュー5周年の記念日、つまり1stシングル「アポロ」と同じ日に発売されたシングル。
そして、Tama脱退後、2人体制での初のシングルでもある今作は、新たな試みとして、「作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一」、「作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁」という3人時代にはなかった組み合わせで制作された楽曲が収録されている。

全曲レビュー

「シスター」

www.youtube.com

先に言っておきますが、この曲、全体的に小泉今日子の「木枯しに抱かれて」感が強いんですよ。
ドラムロールで始まるイントロ、フォルクローレ風のアレンジは間違いなくこの曲に影響を受けていると思います。 晴一もキョンキョン好きだし。

この曲を初めて聴いたのは確かカフェイン11でした。 その当時私は関東に住んでおらず、radikoもありませんでしたし、自分で自由に使えるネット環境も家になかったので、カフェイン11を聞くことも出来ませんでした。
ですが、夏休みにかなりの長期間、関東の親戚の家に滞在することになり、これはチャンス!と思いカフェイン11を聞きました。 2回か3回は聞けたんじゃないかと思います。
確か富士山に登ったりしている回があったような。Buzyのなおさんと。

そしてその中で奇跡的にも「シスター」を聞くことができたんです。
人んちのラジオで聞くポルノの新曲は格別でした。

ただ初めて聴いた時の率直な感想は、「あれ?サビどこだったんだろう」でした。
ポルノにはいくつかサビのない曲があると思うのですが、これは初めて聴いた時に関してはサビをサビだと気付けなかったです。
Bメロなのかなと思ったらサビだったという。

この曲はいわゆるBメロがなくて、

Aメロ → サビ → Aメロ

という構成になっているので、最初気づけなかったんですね。

数回聞いて慣れると、明らかにサビだなと思いました。

2人になってから初めてのシングルということでどんな曲なんだろうとワクワクしていました。

「シスター」というタイトルから、なぜか、なんとなく「メリッサ」的な、ポップだけども少し切なさのある感じの曲なのかなと思っていました。
でも実際にはかなり秋っぽさのある、切ない曲調なのが意外でした。

2人とも30歳を迎える直前で、今までよりも少し大人になったポルノという感じでしたね。

ただ、曲はやはりさすが本間さんとしか言いようのないキャッチーなメロディ、アレンジになっていましたし、歌詞も見ただけでわかる、明らかに新藤晴一な歌詞でした。

東の海に舟を浮かべて

これだけでわかるんですよ。東の海に舟を浮かべるのは晴一しかいません。

「月飼い」のサビ

東から漕ぎだし舟は

を思い出しました。

悲しみが友の様に語りかけてくる
永遠に寄りそって僕らは生きてく

というサビはすごく悲しく聞こえるんですが、最後まで聞くと、この曲の主人公は前を向いて歩き出そうとしてるんじゃないかなと思えるんですよね。

ここでの「あなた」がどんな人なのかはわかりませんが、とても大事な存在だったはずです。
その人がいなくなったから、「悲しみが友の様に語りかけてくる」のだと思いますが、その一方で「永遠に寄りそって僕らは生きてく」は、ある意味現実をしっかり受け止めている様にも思えるんですよね。
どれだけ受け止めているかはわかりませんが、少なくとも現実から目を背けていないと思います。

別れを乗り越えて、少しずつ前に進もうとする人の歌なんでしょうね。

この曲はMVも結構好きです。

2人が木の根元に座っているシーンがあるのですが、この時座っていた場所が木だか石だかの凹凸が結構あってお尻が痛かったらしく、タオルを敷いて座っていたそうです。かわいいですね。

そして何より、この頃の2人がイケメンすぎる。
ポルノのファンには顔ファンと言われる人がいて、今はわかりませんが少なくとも当時はいました。
アイドル的な感じで、音楽がどうこうよりもとにかくかっこいいから好き!っていうタイプのファンですね。
僕は男なのであまりその気持ちはわからなかったのですが、今ならわかります。
確かにかっこいい。

昭仁の顔綺麗すぎるだろと。晴一に至っては木でできた謎の楽器を弾いてますが、その姿でさえもかっこいいという。

今ももちろんかっこいいんですけどね。
若い時ならではのかっこよさがあったと思いますし、爆イケでしたね。

この曲はYouTubeでもライブ映像が公開されています。

www.youtube.com

これは2006年なので、やはり若いですね。昭仁が調子に乗ってノースリーブ着てます。
ロックシンガーですからね、ノースリーブくらい着ますよ。
ロックするのに袖って必要ですか?

ただ、個人的には"ロイヤルストレートフラッシュ"の時のパフォーマンスを見てほしいです。   その前のMCから見てほしいです。DVDにどれほど収録されていたか覚えてないですが。

10年の節目というステージで、これまでの活動を振り返っての話をしていました。

そのMCの中で、「一度だけポルノグラフィティを辞めようかと思ったこともある。」という発言をしていました。
3人から2人になった時だと思います。
でも、こうやってポルノグラフィティを終わらせずに続けてくれていることに本当に感動して、感謝の気持ちでいっぱいになって、ほんのちょっとだけ、涙が出たのを覚えています。
そのMCを踏まえて披露されたのが「シスター」でした。

再出発の曲ですね。

この曲を聞くと、今でもあのライブを思い出します。

ぜひみなさんも見てください。

「Human Being」

作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一

この組み合わせを初めて見た時、これから新しいポルノが始まるんだと実感しました。
次の「天気職人」もそうですけども。

作曲した晴一によると、こういう曲はボーカルに歌詞を書いてもらった方がハマる歌詞が出てくると思った、的なことをどこかで言っていました。

その結果出てきたのが、この「ですます」調で人間という生き物を紹介した歌詞でした。

曲自体は晴一らしくて、しっかりJ-POPしてる感じが好きです。

晴一の曲は、時にはすごく地味でどこがサビだかわからない曲もあったりしますが、一方でこういうJ-POPの様式美に則ったような楽曲も得意で、僕は結構好きです。

久しく聞いてなかったのでこの記事を書くために何年かぶりに再生しました。
この曲がどうとかいうより、2人になったポルノの、2人だけで作った曲を初めて聞いた時の、あの時の気持ちを思い出しました。

ちなみに、偶然か意識したのかはわかりませんがヴァン・ヘイレンにも「Humans Being」という曲があったので試しに聴いてみました。
おそらく初めてヴァン・ヘイレンの曲を聴いたと思いますが、これがヴァン・ヘイレンなのだな、という感じの曲でした。(は?)

「天気職人」

これもですね。

作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁

3人時代にはなかった組み合わせですね。
昭仁曰く、早朝に流れてる都内の天気予報で流れてる様な曲をイメージしたとかなんとか。

歌詞の内容も晴一らしい「天気職人」という架空の職人を主人公にしたユニークな内容になっています。

天気についてあれこれ考えることはありますが、天気職人という職人が天気を仕込んでるんじゃないかとはなかなか思いつかないですよね。

これは名曲だと思いますよ。

雨にもちゃんとした素敵な理由がある
誰かの事を想う時にはこぼれる涙隠してくれる

これは15歳の僕にとっては大きな気づきでしたね。
そうなのかと。
それから雨の日になると、誰かの涙を隠しているのかもしれないなと、思うようになりました。

特に2番が好きです。

だから君の事
初めて誘えそうなんだ
ずいぶんぐずついた僕の背中を押して

「誘えそうなんだ ずいぶん」の歌い方が特に。

ただ、この後の歌詞で

傘を離した右手を君に差し出してみようと思ってる

とあるので、お、これはついに誘うんだなと思わせつつも
最後の2行で

そんな風に思いを巡らせたそがれに
明日はどんな日になるのかな 明日こそは誘えるといいのにね

となって、結局誘ってないんかい!とつっこみたくなるオチになっているのも好きです。

この曲を聞くと、心が穏やかになりますね。

おわりに

メジャーデビュー5周年の節目にリリースされた「シスター」を紹介しました。

3人から2人になって、そして30歳を目前に控えた20代最後のシングルという、節目でしかないシングルです。
僕もファンとして、2人で活動するポルノグラフィティをなかなかイメージできなかったし、そもそも2人になった事自体がまだよく受け入れられていなかったんですよ。
もちろんTamaがポルノを離れてやりたいことがあるということ自体は理解していましたし、それはそれで応援したいとも思っていました。
でもやはり、僕の好きになったポルノグラフィティは3人のポルノグラフィティで、その形が変わってしまうことに対する、不安というか悲しさのような、前向きじゃない気持ちが少なからずあったのは確かです。

でもこのシングルを聴いて、初めて2人だけで作詞作曲をした曲を聴いて、これからもポルノはポルノなんだと思えたんですよね。
もちろん今までとは違うことも含めて、これかもポルノを続けてくれるのなら応援しようとはっきり思えました。

一度はやめようと考えたポルノグラフィティを、続けてくれた2人には本当に感謝しています。

もうとっくの昔に2人になってからの活動期間の方が長くなっているのですが、3人でデビューしたポルノグラフィティの延長に(もちろんそれ以前のポルノグラフィティも含めて)、今のポルノグラフィティがあるんだなという気持ちで応援しています。

令和の時代になって、メンバー3人それぞれがTwitterのアカウントを持っていて、そこでお互いの活動に対して少しでも言及しているのを見るととても嬉しく思います。
今でもお互いをリスペクトしている3人がとても大好きです。

ということで、5周年は「シスター」、15周年は「俺たちのセレブレーション」だったわけですが、まだ10周年を祝ってませんよね?

それはまた明日!お楽しみに!



このライブで演奏した「シスター」は家宝にします。