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17th single「ネオメロドラマティック/ROLL」【ポルノグラフィティ全作レビュー#8】


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17th single「ネオメロドラマティック/ROLL」【ポルノグラフィティ全作レビュー#8】

はじめに

こんばんバス!リンクです!

またまた2日ぶりです。ついに3月が来てしまいましたね!
今月は一気に9作品のレビューを公開する予定です!激アツでね!

それでは早速行ってみましょう!

ネオメロドラマティック/ROLL」作品情報

Title: ネオメロドラマティック/ROLL
Release date: 2005/3/2
Price: ¥1,282(tax in)

Tracks:
1. ネオメロドラマティック
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 
2. ROLL
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 
3. プッシュプレイ(LIVE!)
 作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 

All songs arranged by ak.homma, ポルノグラフィティ  

オリコン週間ランキング初登場: 2位(最高位)
累計売上枚数:22.8万枚

作品概要

いわゆる両A面シングルですが、ポルノグラフィティはこれを"ダブルフェイスシングル"と呼んでいます。
ネオメロドラマティック」はダイハツ工業・ムーヴカスタムのCMソングに起用され、これが初めての自動車CMのタイアップとなりました。
「ROLL」は今はなき武田食品のC1000タケダビタミンレモンのCMソングになっており、CMにはポルノの2人も出演しています。
CMの最後に昭仁が歌う「しーせんたけだ♪」が良かったですよね。

カップリングには新曲「プッシュプレイ」がライブバージョンで収録されているのですが、初出しがライブバージョンになるのはこれが初めてであり、今のところこれだけです。

全曲レビュー

ネオメロドラマティック

www.youtube.com

曲・アレンジについて

これぞポルノグラフィティという感じの、音符をひたすら詰め込んだアッパーチューンですね。

イントロがまずかっこいい。
あのギュイーーーーんってなってるギター最高ですよね。
この曲はアームを使って鳴らすサビ前のギュイーーーんが印象的ですよ。

ライブ音源だと控えめですが、CD音源だとサビでシンセの音が左右で賑やかに鳴ってるのでそこも結構好きです。

Aメロの部分は歌うのが結構難しいですね、リズム感と滑舌の良さが試されます。
ハロプロの楽曲並みに16分音符を意識しないといけません。
でもこういう言葉詰め込み系の、滑舌良くないと歌いえない系の曲がポルノっぽさでもあり、リリース当時の私は「待ってました!」という感じでした。

ネオメロまでのシングル曲は

という感じで、「メリッサ」を除けば結構重めな曲だったり、ゆっくりした曲が2年くらい続いてる状態でした。
この中で「メリッサ」を出してくれたのは個人的に救いでした(笑

やっぱ「アポロ」や「ヒトリノ夜」でハマった人間としては、こういうわかりやすくポップでロックでキャッチーな曲が聴きたいなと思っていたので、「ネオメロドラマティック」が新曲として出た時は嬉しかったですね。
まぁ実際には「アポロ」や「ヒトリノ夜」とはまた違うタイプの曲ではありますが。
好きになった頃のポルノが今も続いてるんだよなと思えた1曲でした。

歌詞について

ネオメロドラマティック」というタイトルを聴いた時、正直意味わかりませんでした。

直訳すれば「新しい(neo)感傷的な恋愛ドラマのような(melodramatic)」っていう意味になります。

現代の「愛」についてのあり方とか、「愛」に飢えている人々の気持ち、どこか荒んだ空気の中でも力強く生きようとする力みたいなものを描いているんですかね。
ウィキペディアを参照すると

「折り合えていることに対しての苛立ちや焦燥感っていう気持ちを書いてみようと思った」

とありました。
この曲をリリースした頃はメンバーは30歳になったばかりでしたから、二十代の頃とは違い、ある程度大人として色々なことに折り合いをつけなければいけないという状況があったのかもしれないですね。
そういった現状に対する気持ちを、「ネオメロドラマティック」という形で、愛にまつわる表現を交えて歌詞にしたのかもしれません。
現状に抗うという意味では、ロックな歌詞になっていますね。

「君はボイルした時計の皮剥きにただ夢中になってる」の意味

この曲を語る上で外せないフレーズは

君はボイルした時計の皮剥きにただ夢中になってる

じゃないかと思うんですよ。
これを素直に捉えると、「君」めっちゃやばいな となるんですが、ファンの中で通説となっているのはニュートンの逸話が由来というやつですね。

有名な物理学者・数学者のニュートンが、ゆで卵を作ろうとした時の話です。  
卵と時間を測るための懐中時計を用意して調理を始めようとしたニュートンさん。  
しかしその時の彼は研究のことで頭がいっぱい。   
うっかり卵ではなく懐中時計をお鍋に入れてしまったそうです。  
気づいた時には卵を手に握り、鍋の中では懐中時計が茹でられていました。   

という話です。 詳しくは「ニュートン ゆで卵 時計」とかでググってみてください。

ニュートンさんは、研究に気を取られるあまり、卵ではなく時計を茹でるという愚行を犯してしまったわけですね。

それをこの歌詞に置き換えると、現代の人々も仕事や人間関係などに気を取られて、自分自身の生活や、日常の些細なことを蔑ろにしてるんじゃないか、ってことを言っているのかなと思います。
そうしてうっかり「ボイルした時計」にも気づかずに「皮剥きただ夢中になってる」というのは、社会に揉まれながら生きている現代人への皮肉、もしくは警告なのかもしれませんね。

なんとなくですが、都会の人の冷たいみたいなイメージってあるじゃないですか。
みんな仕事に疲れて暗い顔をして過ごしているみたいな。
そういう鬱屈とした世界の中で、人としての温かい心を失いかけていることに危機感を持っていて、そのことに対する警鐘を鳴らす歌詞なんだと思います。

自分の純情をスプーンにひとすくい 街に喰わせるたびもらえるキャンディを

というのも、自分の清らかな心、綺麗な心を失っていることの描写でしょうし。
それを自覚しながらも

「助けて」というWordはないようだ

ということから、そんな現状を受け入れ諦めつつあるのかもしれません。

切れない剃刀を探してる

というのも現状に抗うつもりはないが、抗うためのささやか道具だけは持っておきたい。でも実際に誰かを斬りつけるつもりはないし、本気の武器じゃなくていいので「切れない剃刀」くらいでいい。
実際には今を仕方なく受け入れて波風立てず生きていきたいという意味なのではないでしょうか。

そんな「君」に対して、「ボイルした溶けの皮むきに夢中になってる」というのは、「大切なものを思い出して、心を取り戻してくれよ」というメッセージなのかもしれません。

咲こうが摘まれる君の絶望こそ
こんな時代かネオメロドラマティック

「君」もただ現実を受け入れ無力に生きているだけじゃないんですよね。それなりに咲こうとしてるんですよ。それなりに人生を頑張ってるんですけど、群衆に埋もれて摘まれてしまうんです。

君の「愛して」が 僕に「助けて」と確かに聞こえた

そんな絶望を抱え、愛に飢えた「君」が「愛して」というのならそれはもう「助けて」という意味でしかないでしょうね。
中学生の僕はあまり意味が分かってなかったので「こいつ耳悪いな」くらいにしか思ってませんでしたが、そういうことではないのですよ。
物理的に「愛して」と聞こえたわけではないですからね。

最後の

咲こうともがいてる君の力こそ こんな時代のネオメロドラマティック

愛を求め、時には傷つきながらももがく様子が、新しい時代の(neo)、メロドラマのようだ(melodramatic)ってことですかね。
また「ドラマティック」だけならそのまま「劇的な」という意味ですから、もがき続けた先に、「劇的に」自分の人生を変える何かがあるかもしれない、そういう可能性を暗示してるのかなと思いました。

ちなみに、地下鉄の駅に行くと

空気を奪いあう地下鉄のホームで
生暖かい風を浴びている

という歌詞を思い出します。
この曲がリリースされた当時はまだ中学生で、田舎に住んでいたので地下鉄に乗ることもほとんどなく、「地下鉄の駅って生暖かい風が吹いてんの?」って感じでした。
今は割と都会に住んでいるので、地下鉄に乗るたびにこの歌詞を思い出します。
晴一も東京に出てきて、地下鉄に乗ったときにこの生暖かい風に都会を感じたのかなぁとか、同じような気持ちになったのかなとか考えてしまいますね。

ただ、生暖かい風が一番吹いてるのって駅の入り口な気がしますけどどうですか?

「ROLL」

www.youtube.com

「ROLL」も名曲なんですよ。
前も少し話しましたが、同じメロディをひたすら繰り返す感じのサビがとても昭仁らしいです。クセになりますよね。

この曲がリリースされた頃って、ポルノは割と中学生、高校生人気があって、僕の周りにもファンではないけど曲は聞くよってくらいの人が結構いたんですね。
やっぱそういう人たちにとってはこのシングルって結構評判が良かったんです。

ダブルフェイスシングルで2曲とも結構いいじゃんってことから、「ネオメロ派」と「ROLL派」に分かれたりもしてた気がします。
僕はどちらかといえばネオメロが好きだったんですが、ファンじゃない人から「ROLLの方が好き」って言ってもらえるのは嬉しかったですね。
この頃はまだ本間さんの曲で勝負してた時代ですから、その中でメンバー曲を気に入ってもらえるのはファンとしては嬉しいことでした。

紆余曲折ありながらも、大切な人と咲かせた花をずっと育てるというハッピーエンドなところもいいですね。 大切な人に気持ちを伝えたりするような場面、例えばプロポーズとか、そういうのでフラッシュモブ的な感じで演出をしてやる時に使うといいんじゃないですかね。知らんけど。

サビのメロディが繰り返される部分も、大切な相手のことをぐるぐると考えている様子とマッチしていると思います。

落ちサビ最後の

恐れてたんだ

に何人のポルノファンがやられたことでしょう。
ライブで聴くこの部分は鳥肌立ちますよね。 そこに入ってくるドラムもいいです。

聞いた後には爽やかな風が吹き抜けるような、そんな心地よさがありますね。
ポルノにしては珍しい春にぴったりの歌だと思います。
SWITCHのファイナル・武道館公演で、昭仁が真っピンクのジャケットを着てこの曲を歌っていたのが曲のイメージに合っていてすごく印象的でした。

「プッシュプレイ(LIVE!)」

新曲なのにライブ音源で収録しちゃう!という新たな試みです。スタジオ音源はアルバム「THUMP χ」に収録されています。
ポルノはライブバージョンの時に(LIVE!)ってつけてるのが特徴ですね。
(「EXIT」に収録されている「LIVE ON LIVE[Recorded at YOKOHAMA ARENA from 11th LIVE CIRCUIT "∠TARGET" ENCORE (2010/12/31)] 」以降は、ツアータイトルや日付がつくようになりましたが。)

「プッシュプレイ」は「再生ボタンを押す」という意味です。

ロックバンドであるポルノグラフィティがロックバンドについて歌うという若干メタな内容になっています。
ロッカーはロックをやっている人(rocker)のことです。コインロッカーとかのロッカー(locker)とは違いますよ。

やっぱこれはライブで聴いてこその曲だと思うので、ライヴバージョンで収録したのは正解だったと思います。
お客さんの歓声が入ってたり、音のバランスとかもスタジオ音源とは当然違うので、ライヴの臨場感がすごくありますね。
実際に披露しているのは東京体育館ですが、本当にスタジアムで歌っているような雰囲気がありますよね。
正直、このバージョンに慣れすぎて、「THUMP χ」の音源を聴いたとき少し大人しい感じで物足りなく感じてしまいました(笑

ライヴならではの歌詞間違いも収録されています。

皆拳を突き上げて唄う

を「その拳突き上げて」と間違えています。2番とごっちゃになったんでしょうね。
ここは僕自身も歌う時に間違えそうになるので気持ちわかります。

この曲はロックであるんですが、きちんとJ-POPやってるなぁという感じもして、晴一が作るこういう曲が好きなんですよね。
なかなかうまく言語化できないんですけど、きちんとJ-POP的なロック作りましたみたいな、そういうスマートな印象の曲です。はい。

「プッシュプレイ」はスタジアムライブするロッカーを描いているということもあり、東京ドームの”神VS神”されたのはとても良かったですね。

各種サブスクで配信されているので是非こちらも聴いていただきたいところです。

おわりに

今回は「ネオメロドラマティック/ROLL」のレビューをお届けしました。
ちょうど中学校を卒業する直前の時期に発売されたので、高校に入学するまでの春休みの間はずっと聴いていました。

高校に入学したらポルノ好きな人が結構いて嬉しかったなぁとか思い出してしまいました。
あの頃のポルノは若者に人気でしたからね!(笑
カフェイン11で晴一も言っていましたが、今でいいうYOASOBIみたいな人気があったんですよ。2000年とか2001年ごろは。 このシングルをリリースした2005年も、アルバム「THUMP χ」は1位を獲得しましたし。前年にリリースしたベストアルバムのヒットの勢いもあってかなり人気だったと思います。
2人体制になってから3作目のシングルということで、個人的にはまだまだこれからポルノはどうなるんだろうという不安もあった中でリリースされた作品だったので、すごく印象に残っています。
3人時代とは違うけど、これからもしっかりポルノを続けてくれるんだなと、感じた作品ですね。

オリコンランキングで2週目のORANGE RANGEに負けたのは非常に悔しかったですけども(笑
まぁ当時はORANGE RANGEもアホみたいに人気ありましたか仕方ないです。
時代ですね。

ということで、今回も読んでいただきありがとうございました! 今日、3月2日はあのシングルのリリース日でもありますよね? お楽しみに!



ネオメロドラマティック」が収録されているのはこちら!