はじめに
こんにちは、私です。久しぶりに記事を書きます。
僕が愛してやまないロックバンド・ポルノグラフィティが9月22日待望のニューシングル「テーマソング」をリリースしたので、今日はそのレビューを思うがままに綴っていきます。
待望のシングル「テーマソング」
今回は前作「VS」から2年2ヶ月ぶりにリリースされるということで、もう待ちに待ったとしか言いようがないですね。
東京ドーム公演とUNFADEDの映像作品リリースから数えても1年9ヶ月ぶりですから、よく待ったと思います。
私も、「CDショップにいってポルノのCDを買う」という行為を2年2ヶ月ぶりにしたわけで、なんというか非常に感慨深かったです。
そんな今回の収録曲はこちら。
1. テーマソング 作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:立崎優介, 田中ユウスケ, PORNOGRAFFITTI 2. REUNION 作詞:新藤晴一, 岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:tasuku, PORNOGRAFFITTI 3. IT'S A NEW ERA 作詞・作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵, PORNOGRAFFITTI
今のポルノグラフィティが詰まった、渾身の3曲が収録されています。
初回盤には、2020年12月4日行われたライブ「サイバーロマンスポルノ'20 〜REUNION〜」のライブ映像を収録したBlu-ray or DVDがついてくるというのですから今回のポルノは本気です。
その分お値段もかなり本気になっていますけどね。
でも新曲が聞けて、ライブ映像まで見られて5,000円程度ならむしろ安いもんです。頑張ってます。
ということで、早速レビューしていきましょう!
テーマソング
まずは、今回の表題曲でもある「テーマソング」です。
多分この後の曲全部で言うと思うんですけど、この曲にはマジでポルノの本気を感じましたね。
こんな時代だからこそ、聴いてくれる人の背中を押したいという気持ちで作られた楽曲です。ポルノ流の応援歌です。
ポルノの応援歌といえば、「ギフト」や「キング&クイーン」「Rainbow」、「君は100%」などが挙げられるのかなと思います。3人時代は応援歌らしい応援歌はほとんどなかったと思いますが、2人になってからたまに出すようになったジャンルではないでしょうか。
曲について
作曲を担当したのはボーカルの岡野昭仁。
この曲はポルノにしてはかなり珍しい構成になっていて、サビのようなメロディが2種類あるんですね。
呼び方に困るのですが、登場順で便宜上「ほら 見上げれば〜」のくだりをサビ1とさせてください。
「壮大なテーマソング〜」の部分をサビ2ということにしたいと思います。
そうするとこの曲の構成は以下のようになります。
<intro> サビ1 <1番> Aメロ → Bメロ → サビ2 <2番> Aメロ → Bメロ → サビ1 → サビ2 → サビ1
すごく珍しい構成の曲ですよね。過去の曲を思い出してもこういう構成のものはなかったんじゃないでしょうか。 ポルノの曲は割とJ-POPの王道を行くような構成のものが多く、
「Aメロ → Bメロ → サビ」 ×2 + (Cメロ(大サビ)) + ラストサビ
という構成がほとんどでした。
「テーマソング」の構成は今の流行りを取り入れた感がありますね。J-POPの流れを汲みつつも次の展開が読めない曲が最近は多いですからね。
昭仁がこのような構成の曲を作ったのは、ソロ活動の影響も多いのではないかと思います。インタビューでも、「その影響は間違いなくあると思います。」と答えていましたし。
実際、「光あれ」の製作時に、作曲者の野澤弘之さんに対して、「大サビみたいなメロディをなんでここ(ラストサビの後)にもう1回持ってくるん?」というようなことを聞いていたのが印象的でした。
今まで自分たちがしたことのない曲の作り方に興味があったんだと思います。
この時の昭仁の疑問は、まさに「テーマソング」を聞いた時の我々リスナーの気持ちと一緒じゃないかと思います。
サビ1としたところはある意味大サビのようなパートですから、「大サビをなんで曲頭とラストサビ後に持ってくるん?」と思いましたし、最初聞いた時は斬新な曲の構成に驚きました。
DISPATCHERSという離れでやったことを母家(ポルノ)に活かしたいということをよく言っていましたが、本当にポルノの音楽活動にしっかりと、くっきりと反映されててとても嬉しくなりました。
そのやりとりをしているDISPATCHERSの模様はこちらです。4分あたりからのやりとりです。
詞について
作詞はギターの新藤晴一が担当しています。
この曲を初めて聞いたときに作詞作曲の分担を知っていたかどうか忘れたのですが、「歴史学者のペン先」というワードで間違いなく晴一作詞だと確信しました。
Mr.Childrenの桜井さんが昭仁の歌声を聞いて「声に名前が書いてある」と言った話はポルノファンの間ではあまりにも有名ですが、晴一の歌詞も同じで、「歌詞に名前が書いてある」んですよね。
このフレーズは間違いなく晴一だろうという、独特な言い回しがあるんですよ。
だって「ささやかな私のストーリー」だけでも意味としては通るんですよ。そこに「歴史学者のペン先が 決して描くことのない」という修飾語をつけるあたりがね、晴一です。
あとは「立っているこの場から 〜 妙に焦るんだ feel bad」のくだりとかも印象的ですね。
これは昭仁にも晴一にも共通することだと思うんですが、結構自分だけ取り残されてるとか、自分だけが○○的な感じで、自分を卑下したりだとか、孤独を感じてるような主人公を描くことが多いと思うんですね。
でもその中でどうにか光を見つけ出そうとするのがポルノグラフィティかなと思っていて。まぁ、そのまま沈んで行くだけの場合もありますけど。
このフレーズには晴一らしさだけでなく、ポルノらしさを感じました。
2番Aメロの「「ただ時自分らしくいれば 〜」〜 何より厄介な存在」もそうですね。
晴一の歌詞って、「ギフト」とかもそうなんですけど、「自分なんて」と自分を蔑む自分と、その自分を第三者的にみる自分の両方が登場することがあるなと思います。
「ギフト」の2番Aメロにある「どこかで僕を悪くいう声 〜 なんだ自分の声じゃないか」とかも同じで、結局自分の人生をめんどくさくしてたり、自分を過小評価してるのは自分自身だって気づいてるんですよね。
そうやって、自分の後ろ向きな気持ちと、後ろ向きな自分を客観視する自分を描けるところが晴一のすごいところで、なんというか、まるで曲を聞いてる自分自身のことを言われているような気持ちになってハッとするんですよね。
そして触れないわけにはいかないサビの「フレーフレー この私よ」ですよ。
聞いた瞬間の素直な気持ちは「まじかよ!?」でした。ポルノが、というか晴一が絶対に使わなそうな言葉ランキングがあるとすれば、確実にTOP10に入っているような、何なら20年連続ランクインして殿堂入りしてそうなフレーズだと思ってました。
まさかポルノに「フレーフレー」と応援される日が来るとは。
「キング&クイーン」で「輪になって分かち合おうよ」と言われた時もかなりびっくりしましたよ。まさかポルノから輪になって分かち合うことを促される日が来るとは思ってませんでしたから。
でも今回の驚きはそれ以上でした。ただ、それだけストレートにというか、今のこの状況でわかりやすく誰にでも伝わる言葉で応援する気持ちを伝えたいということなのかなと思います。
「耳に届く音はいつも 不安な鼓動のドラムだけ」というところも好きです。
サビ終わりの「This is all my life」に多少の「マイモデル」感も感じながら。
すごくいいサビだなと思いました。
そしてユニゾン部分、晴一もインタビューで答えていましたが、すごくすんなりと言葉が出てきてはまっていると思います。
「泣きたくなるほどの青さ」と「燃えるような熱い赤」の対比もいいですし、何より「その胸は震えているか?」の部分ですよ。
これ聴いて震えない人はいないんじゃないでしょうか。僕の胸は、会えなかった頃の西野カナより震えていますよ。
THE FIRST TAKEでもいち早く披露されているので、ぜひ聴いてください。
REUNION
この曲は2019年12月4日に開催された「サイバーロマンスポルノ'20 〜REUNION〜」のアンコールで初披露された新曲です。
YouTubeでもその映像が公開されていますが、今回収録されたバージョンでは歌詞が微妙に変わっており、もともと存在しなかったCメロ(大サビ)が追加されています。
作曲は岡野昭仁が担当。印象的な短いフレーズを繰り返すサビはいかにも昭仁ですね。こういう繰り返しのサビ好きですよね。個人的にはBメロがかっこよくて好きです。
作詞は新藤晴一・岡野昭仁名義になっていて、2人での共作はかなり久しぶりじゃないでしょうか。(「俺たちのセレブレーション」以来?)
サビを昭仁、サビ以外の部分を晴一が担当しています。
サビの歌詞について、晴一がインタビューで言っていた
「昭仁の考えた“REUNION”を繰り返すサビはもう念仏みたいなもんだから(笑)。」
という発言に妙に納得してしまいました。
ライブで披露されたバージョンはサビの最後のフレーズが命令形になっていたのですが、シングルに収録されたバージョンでは終止形になっています。
ライブの時はみんなに向けてメッセージを伝えるというイメージが強かったですが、今回のシングルバージョンはどちらかというと聴いている人が自分の中で繰り返し、それこそ念仏のように言い聞かせるような歌詞になっているのかなと思います。
ただそこは、単純に内向的に閉じこもるのではなく、自分の心にある希望を感じて欲しいというメッセージがあるのだと思います。
晴一も
「なかなか外に出られない状況だけど、自分の心の内にも宇宙と同じくらいの広さがあるんだよっていうイメージで。」
と言っていますしね。
この曲はアレンジもかっこいいので、ライブで是非とも聞きたい1曲です。
あと全然どうでもいいことですが、サビの念仏のような繰り返しのフレーズ、それはそれでかっこいいと思っているのですが、そこで並べられる単語の中に「FRIEND」が入っているのはちょっと昭仁らしいなと微笑ましく思いました。
かつて晴一が、「そらいろ」のサビにある「空色はふるさと」という歌詞に対して、「そこで"ふるさと"を持ってくる?」的なことを言っていたのですが、それと同じような気持ちになりました。
さらに全然どうでもいい話Part2ですが、Little Glee Monsterさんの新曲のタイトルも「REUNION」で同日発売のミニアルバムのタイトルも「re-union」ということで、おいおい〜と思ってしまいました。これ気にしてたファンは私だけでしょうか。
きっとそちらもいい曲だと思うので聴いてみてください。
IT'S A NEW ERA
こちらはリリース日まで公開されていなかったガチの未発表曲ですね。
作詞・作曲は新藤晴一です。
曲調は違うものの言いたいことは「テーマソング」と同じとのこと。
この曲についてはまだ語れるほど聞き込んでいないので、何となく今の時点で思っていることを書き並べますね。
まず、曲についてですけど、Aメロは結構好きです。 なんかこういう曲あったな、懐かし いなと思わせるメロディだなと思います。
あとBメロ終盤、サビへのつなぎ方の気持ち悪さというか、なんかムズムズするメロディが晴一だなぁと思いますね。「新しく生まれ変わればいい」のところです。ここ歌うの難しくないですか?
Cメロに関しては結構好きです。そこからサビに繋がって2回目のサビで加速して盛り上がる感じ、いいですね。なんなら全部この感じのサビでもよかったくらい。
なんというか、全体的に、ポルノらしさを感じました。うまく言語化できないのですが、メンバーが作った曲を聴いたときに感じるポルノらしさを感じました。
歌詞に関しては、Aメロに登場する「矛盾のランプ」、「無数の正義が群がるゴースト」が晴一節全開ですね。
「矛盾のランプ」に関してはきっと、「ミステーロ」に出てくる「間違いだけで作る可憐なドレス」の兄弟か従兄弟だと思ってます。
独特な素材で作られたものシリーズですね。
Cメロの「挫けそうだよ 笑えないよ 忘れられたいよ」もいい。
「矛盾のランプ」などとものすごい婉曲表現使ってる人が、こんなにも素直に弱音を吐くなんてという潔さが好きです。
今のところ、以上です!(笑
ファンの間では好評なので、よく聞き込んで、時が来たら追記したいですね。
おわりに
ということで、長々と書いてきてましが、何よりも伝えたいのは、新曲を出してくれて本当にありがとうございます!ということです。
今回のシングルに「テーマソング」、「REUNION」、「IT'S A NEW ERA」を持ってくるあたりに、ポルノグラフィティの誠実さを感じました。
なんてリスナー思いのロックバンドなんでしょう。彼らはロックバンドなんですから、自分たちの気持ちをもっと好き勝手吐き出すような曲を歌ってもいいはずです。それでもそんなことよりも、聴いてくれるリスナーのことを第一に考えて、どんな曲を届けたら喜んでくれるか、力になれるだろうかということを必死に考えて作り上げた作品が今回のシングルだと思います。
2人のその優しさとか、温かさみたいなものを、存分に感じられる作品です。
ぜひ、多くの人に聴いてもらいたい作品です。
聴いてください!!!