元教員が教員採用試験の数学を解いてみた_03【実数条件と最大・最小】
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1. はじめに
こんにちは、私です。全国的に梅雨入りした感がありますが、みなさまいかがお過ごしですか。
梅雨のわりにはそんなに雨が降っていない気もします。
昨年の梅雨はめちゃくちゃ長くて、止まない雨もあるんじゃないかと思うほどでした。
雨の降る夜に、そんなに美味しくない金麦を飲みながら、「言の葉の庭」を何度見たことか。
今年もそんな季節がきましたね。
ということで、今回も教採の過去問を解いてみました。
2. 最大値・最小値を求める問題を解いてみた。
今回の動画はこちら。
【教採の数学】実数条件を利用して関数の値域を求める【最大・最小】
問題はこちら。
条件式の使い方がポイントとなる問題ですね。普通に文字消去に使おうとしてもうまくいかないので、他の方法を考える必要があります。
条件式と最大最小を求めたい式がどちらも対称式になっていることがすぐにわかるので、とりあえず基本対称式x+yとxyを使って書き直してみるかーという発想になります。
そして、できれば一文字の関数に落とし込みたいのでx+yとxyをそれぞれs, tとでも置くことにします。
そうするとなんやかんやで s だけの式に持ち込めるて少し嬉しい気持ちになるのですが、大事なのはその後ですね。
この時点では特にsの範囲がないので、最大値も最小値も求められねーじゃん、となるわけです。
そこで登場するのが実数条件です。
僕と実数条件の出会いはもういつのことだか忘れてしまいましたが、初対面での印象はそこまでよくなかった記憶があります。
何か言ってることはわかるんですけど、でももう一回考えるとわからない、というか。
高校数学に出てくる「○○条件」の中では一番とっつきにくいかもしれません。
真数条件のフレンドリーさを見習って欲しいものです。
x+yとxyをそれぞれs, t と置いたはいいものの、sとtってどんな値でも取れるわけではないんですよね。sとtそれぞれ単体ではどんな値でも取れるんですが、(s,t)という実数の組として考えると、どんな組合せでも取れるとは限らないのです。
だって、sとtはxとyの「和」と「積」ですからね。
実数xとyの「和」と「積」で表せる数しか、sとtの値になれないので、例えばs=0, t=1なんてのはありえないわけです。(足して0になるような2つの実数が、掛けて正の数になるはずがない。)
ところで、2つの実数の「和」と「積」は、2次方程式の係数に現れますよね。
X^2 - (和) X + (積)=0 というやつです。
これが解ければ、「和」と「積」を作る2つの実数が見つかるわけです。
つまり、sとtは「X^2 - sX + t = 0」が実数解を持つような値であれば良く、今回考慮すべき条件は 「2次方程式が実数解を持つ」すなわち 「 判別式D≧0」 となるわけです。
これを実数条件と呼びます。
はい……。
いや、初見でそんなの気付けんわ!と思う人が大半だと思うので、これはもうこういうテクニックなんだと思って1回飲み込んでください。きっと味わうにはまだ早いです。
正直言って、この実数条件の説明はすごく悩みました。
文章だと丁寧に解説してあるものも多いのですが、人が口頭で喋ってるものだとなかなかピンと来るものがなく。
一応私なりに頑張って説明したつもりなのですが、まだまだ改善の余地ありまくりかと思います。生暖かい目でご覧ください。
3. おわりに
いろいろ言ったものの、何だかんだ1回解いてしまえば、2回目以降はお決まりのパターンと思って解ける問題です。もちろん実数条件を使う問題は他にもいろいろありますが。
初対面の印象はいまいちだけど、話せば意外といいやつで仲良くなれる、みたいなところがあるのが実数条件です。ちょっとツンデレですね。
他にも実数条件を良い感じの問題を見つけたら紹介したいと思います。
良い問題があったら教えてください。
それでは、また次回。