ポルノグラフィティ「BUTTERFLY EFFECT」全曲レビュー
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2年2ヶ月ぶりのニューアルバム!
待ち焦がれていたポルノグラフィティのニューアルバム「BUTTERFLY EFFECT」がついにリリースされました。こちらのアルバムは2015年の8月にリリースされた「RHINOCEROS」以来2年2ヶ月ぶり、11枚目のアルバムとなります。
「THE DAY」を始めとして、直近3枚のシングル曲と、9曲の新曲が収録されたかなりボリュームのある1枚となりました。
今日は、1曲ずつレビューしていきたいと思います!
BUTTERFLY EFFECT(初回生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト: ポルノグラフィティ
- 出版社/メーカー: SME
- 発売日: 2017/10/24
- メディア: CD
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収録曲
1.THE DAY (*)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:江口亮,Porno Graffitti
2.Working men blues
作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
3.君の愛読書がケルアックだった件
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
5.LiAR (*)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:tasuku,Porno Graffitti
6.Fade away
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
7.クリスマスのHide&Seek
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
8.MICROWAVE
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:トオミヨウ,Porno Graffitti
9.夜間飛行
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵,Porno Graffitti
10.真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ (*)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
11.170828-29
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:tasuku,Porno Graffitti
12.Montage (*)
作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一 編曲:篤志,Porno Graffitti
13.スパイス
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:tasuku,Porno Graffitti
14.キング&クイーン (*)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
(*)はシングル曲。
1.THE DAY (*)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:江口亮,Porno Graffitti
アニメ「僕のヒーローアカデミア」(第1期)のオープニング曲です。「オー!リバル」以来1年ぶりのシングルにして2作連続のアニメタイアップということで、かなり力の入った、パワフルな曲になっています。
イントロのギターがかっこよすぎてシビれますし、そこに重なってくる昭仁のハイトーンボイスがすでにかっこいい。出だしから曲の世界に引き込まれます。
歌詞の内容的には、アニメを意識している部分もあるのでしょうが、ポルノにしては、というか晴一にしては珍しく、メッセージ性の強いものになっている気がします。
曲自体の勢いもあって、聞いていて心を動かされるというか、背中を押してもらえる曲になったなと思います。
それぞれがいつか迎える「その日」、「大事な日」に聞いて欲しい1曲ですね。
2.Working men blues
作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
これが今回のアルバムの中でもっとも推されている曲です。
タイトル通り、頑張って働いている全ての人に送る1曲になっています。
普通にサラリーマンやOLとして、または家族を支える専業主婦として、自分の役割を全うしながら働いている人たちってかっこいいんじゃないか、ってことを歌ってるんですが、ミュージシャンという華やかな仕事をしていながらも、そんな風に思えてしまうあたりがポルノの二人らしいなと思いました。
それだけ二人も大人になった、もしくは歳を重ねたということでしょうかね。
晴一は以前、「PANORAMA PORNO」に収録されている「星球」でも同じようなことを言っていますが、今回の詞はより一層そのメッセージが強調されたものになっています。
昭仁が作った曲自体にも大人の深みというか、デビューした時には出せなかった奥深さがあるようにも思いますね。
この曲を推したくなるのもわかる気がします。
3.君の愛読書がケルアックだった件
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
まず初見の印象として、「ちょ、タイトルwwww」と思いましたが、皆さんも同じではないでしょうか(笑
作詞作曲を手がけた晴一曰く、「広瀬すずとかが主演で出てそうな、最近ありがちなこういう感じのタイトルの映画の主題歌を依頼されたら」というテーマで書いた曲だそうです。
なるほど(笑
って感じですが。何となくわかりますよ。ありますよね、そういう感じのね、青春真っ只中みたいな。とりあえず広瀬すずとか土屋太鳳とかが青春真っ只中のヒロインを演じて、イケメンと恋に落ちてればいいよねみたいなやつですよね。
確かに、曲自体もすごく爽やかですし、そういう映画の予告の一番いいとこでサビが流れてきそうな雰囲気がします。
特にイントロがキャッチーですね。春っぽい。
それに比べてサビは若干おとなしめな印象。晴一らしい薄味の爽やかポップスってとこでしょうか。
絶対にこないと思いますが、ポルノにこういう青春映画の主題歌を作ってみて欲しいですね。
4.I believe
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
うーん、個人的には、「RHINOCEROS」における「wataridori」枠ですね。またの名を昭仁が作るしっとり枠。
これは多分詞をきちんと読んで感想を書かなきゃいけないやつですね。まだ読み込んでないので何とも言えないんですけど、タイトル通り、自分を信じてあげなよって、後押ししてくれるような内容なんですかね。
曲調的には、ポルノっていうより、どちらかというといきものがかりとかが歌ってそうです(笑
そしてこの曲を聞いてるとやっぱり、どうしても「wataridori」と比べてしまう自分がいるんですよね。そして今の時点では「wataridori」の方が圧勝してるんですけどね。
どっちも合唱曲になりそうな雰囲気はあります。昭仁の歌声を味わうための曲ですね。
5.LiAR (*)
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:tasuku,Porno Graffitti
ここで「LiAR」くるか!(笑
でもまぁ、確かに、ここら辺でシングルこないと中だるみしそうな感じはありますが。
この曲は晴一の代表作になりそうなくらいポルノらしい曲ですね。ファンの私としても、こういう曲を聞きたくてポルノを応援してるわけですからね。
やっぱラテン系の曲に、言葉がたくさん詰まってて、それを昭仁が歯切れよく歌うってのはポルノの特徴の1つですよね。
これをリリースしたのが昨年で、一昨年には同じくラテン系の曲である「オー!リバル」をリリースしていただけに、こんなに短いスパンで似た系統の曲がくるとは思ってませんでしたが、ファンとしては嬉しい限りでした。
タイトルを考える際にLIARというタイトルの曲はすでにあるため、Iを小文字のiにすることで爪痕を残したと言ってた晴一が微笑ましかったです。
6.Fade away
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
久々に来たんじゃないですか、昭仁の鬱っぽい曲。
昭仁といえば本来こういう曲が得意ですよね(笑
こういう内向的で、初めて聞いた時にどう受け止めたらいいのかこちらが戸惑うような。
昭仁ってすごく極端で、ポジティブな時はものすごくストレートな明るい歌詞を書くのに、一転してネガティブな歌詞になるとものすごく悲観的な思考に陥りますよね(笑
この曲の歌詞を読んでも、主人公何があったんだよって、聞いてるこっちが心配になるレベルです。でもそこが昭仁らしい。歌い回しも、いかにもボーカルが作った曲って感じがします。
好きなポルノファンは一定数いるはず。
7.クリスマスのHide&Seek
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
ポルノ史上14年ぶり、2曲目のクリスマスソングです!
ポルノのクリスマスソングといえば、2003年にリリースされた「愛が呼ぶほうへ」のカップリングとして収録された「Hard Days, Holy Night」がありますが、この曲はそれに次ぐ、ものすごく久しぶりなクリスマスソングです!
まぁ、「Hard Days, Holy Night」でさえも、リリース当時、本人たちはアンチクリスマスソングと言っていましたので、もしかしたらこの「クリスマスのHide&Seek」が初の正統派クリスマスソングということになるかもしれませんが。
ただ、歌詞を読んでいると、どうやら主人公の男性はひとりぼっちっぽいですが。
やっぱりクリスマスをまっすぐに受け止めることはできないんですかね、ポルノは(笑
曲の話をすると、おそらく、このアルバムに入っている昭仁曲(シングル曲除く)の中で一番キャッチーです。特にBメロがお気に入りです。ここはいいメロディ。ただし、サビの終わりに若干の「ルーシーに微熱」っぽさがあります。
「Fade away」から「クリスマスのHide&Seek」と、昭仁曲が2曲続くわけですが、同じ人が書いたと思えないくらいタイプが正反対すぎてそのギャップが面白いです。どちらにも昭仁らしさがありますけどね。
8.MICROWAVE
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:トオミヨウ,Porno Graffitti
晴一がアルバムに入れたそうな曲です。
こういうのシングルじゃ出せないですからね。
初めて聞いた感想は「ポルノってよりもTHE 野党っぽいな」でした。
SHOCK EYEが歌ってそう。THE 野党のアルバムの6曲目くらいに入ってそうです。
あと、若干90年代っぽい雰囲気がするかな。
歌詞はあまり深く考える必要はなさそうな、晴一らしい、若干のエロを含んだ歌詞ですかね。
9.夜間飛行
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:宗本康兵,Porno Graffitti
晴一曲が続きます。歌い出しの昭仁の声が優しい。夜に聞きたくなりますね。寝る前とか。
この曲に限らずなんですけど、最近の晴一は、サビ前、Bメロの締めに英語入れるのが流行ってるんですか(笑
「君の愛読書がケルアックだった件」の「Your wish」にしても、この曲の「FLY」にしてもそうですし。いや、思えば5年前の「PANORAMA PORNO」に収録されていた「メジャー」での「Who are you?」でもすでにその片鱗が見えていましたね。
ちょっとこのくせが最近目立ってる気がして個人的に面白いです。
曲自体は可もなく不可もなく、本当に寝る前とかに気持ちよく聞けそうなおやすみソングです。
あ、歌詞に「パフューム」って入ってのも少し気になりました。
10.真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ (*)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮,Porno Graffitti
ここで来ました、ポルノ史上最高レベルの歌詞詰め込みソング(笑
いや、こういう曲好きですよ。「LiAR」でも言ったように、テンポの早い曲に歌詞が詰め込んであってそれを昭仁がノリノリで歌うのがポルノなんですけど。ですけど……
さすがに詰め込みすぎじゃないですか(笑
歌詞を見てみてください。
色々とつっこみたいところはあるんですが、とりあえず2ヶ所。
「三秒後の世界だってわかるはずもない 預言者じゃない」
「預言者じゃない」って、説明しすぎじゃないですか。三秒後の世界がわからないことなんて誰も責めてないのに。
あと、終盤の「Brother, Sister」ですよ。そこ2人も詰め込む必要ありました?(笑
確かにね。ここでどちらかだけにすると、BrotherとSisterの登場回数に差が出てしまううんですよ。そこを平等にするためにはここで2人を同時に登場させるしかなかったんだと思います。そういう律儀なところが昭仁らしい。
これはカラオケで歌うのもかなりキツイですからね。歌いたい方は最悪死を覚悟したほうがいいです。
作った昭仁自身もあまり積極的に歌おうとはしてないらしいところが面白いですね。
11.170828-29
作詞・作曲:新藤晴一 編曲:tasuku,Porno Graffitti
ポルノにしては政治色の強いというか、社会風刺的な意味合いの強い作品です。
これこそTHE 野党のアルバムに入ってそうな。曲調的にというか、題材的に。
一言で説明すると、ミサイルの曲ですよね。北の国(not 北海道)から飛んで来そうなミサイルの話。
この歌詞を考えたのが2017年の8月28日で、その翌日の29日に実際にミサイルが発射されたことから、このタイトルにしたとか。
どういう気持ちで聞いたらいいのか、私としてはいまいち受け止め方がまだわからないのですが、曲自体はある程度キャッチーなので勢いで聞けてしまいます。
気になるポイントはBメロの「華奢」と「癪」の昭仁の歌い方ですね。なんていうか、この曲の雰囲気にこの言葉だけあってないんですかね、少し浮いているというか。最初に聞いた時から引っかかりました。
あとはサビ終わりで突然出てくる「ピースピース」も何か面白かったです。
12.Montage (*)
作詞:岡野昭仁 作曲:新藤晴一 編曲:篤志,Porno Graffitti
シングル曲では初となる昭仁作詞、晴一作曲のパターンです。
これは前も書きましたが、聞いた瞬間晴一の曲だとわかりました。メロがいかにも晴一ですね。
シングルがリリースされてから1ヶ月半がたって、その間に結構聞いたので、聞き慣れたとは思いますが、やっぱり歌詞のハマり具合が気になる箇所がまだありますね。
曲自体はかっこよくて、特にCメロなんて最高にかっこいいですね。
ライブで聞くのが楽しみな曲でもあります。
13.スパイス
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:tasuku,Porno Graffitti
これは今までのポルノにはなかったのでは?
まずは歌詞を読んでいただきたい。
えーっと、サーティワンのチャレンジ・ザ・トリプルの時期を逃して雪だるま大作戦で妥協したカップルの話ですか?
1番丸々かけてそれだけの情報しか得られなかったですが、そういう何気ない日常が愛しいという歌ですよね。
うーん。ありそうでなかった曲ですね。昭仁ってこういう何気ない日常の幸せを歌うの好きですよね。「曖昧なひとたち」とか「休日」とか。
聞いてて微笑ましくなるというか、少し心が暖かくなるような曲ですね。
そう、湯気の立つスープと一緒に聴きたくなりますね。
この曲は結構お気に入りかもしれません。
14.キング&クイーン (*)
作詞・作曲:岡野昭仁 編曲:立崎優介,田中ユウスケ,Porno Graffitti
グラチャンバレーのテーマソングにもなったポルノにしては珍しい王道の応援ソングです。
こうやってアルバムの最後に持ってこられると、また違う魅力を感じるというか、力強さを感じます。
これ絶対ライブの最後にやるでしょ(笑
今まで言う所の「ギフト」的な。アンコールじゃないけど昭仁が「あんたら最高!自信持って行け!胸張って行け!」って言いそうだもん。
この曲は好きですね。こうやって聞くとやっぱシングル曲だなと思いました。
おわりに。
今回のアルバム、「BUTTERFLY EFFECT」はファンにとっては待望のアルバムでした。前作「RHINOCEROS」の完成度が高く、それからブランクが空いたこともあって、期待の度合いはとても高かったです。
実際、1周目を聴き終えた時点での感想は、「RHINOCEROS」を超えられなかったかな?というものでした。
でも、1日おいて2周目を聞いてみると、全然印象が違うんですよね。あ、これってこんなにいい曲だったんだって思えるものがいくつもありました。
「RHINOCEROS」と比較してどうかというのは、これから聞いてみて、またライブでの演奏を体感して、少しずつ答えが出てくるかとは思いますが、とりあえず今は新しいアルバムを純粋に楽しみたいと思います。
皆様もぜひ、聴いてみてください!!
10日間聴き込んだのちのセカンドレビューはこちら!
45thシングル「キング&クイーン/Montage」のレビューはこちら!