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ステップワゴンのマイナーチェンジを受けて、ホンダセンシングのACCについて考える。


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私とホンダ。

私は特に自動車に詳しいわけではないですが、どのメーカーが好きかと聞かれたら、ほぼ迷わずホンダと答えます。ホンダの新しい車は結構チェックしています。

今日はそのホンダの安全運転支援システムに関するお話。

 

ホンダのSTEP WGN SPADAがマイナーチェンジ。

9月28日木曜日、ホンダを代表するミニバン、ステップ ワゴン SPADAがマイナーチェンジして発売されました。このマイナーチェンジにより、待望のハイブリッド車が用意されたほか、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が全タイプ標準装備となり、ハイブリッド車では機能の充実が図られました。

今回は、このマイナーチェンジを受けて、ホンダ独自の安全運転支援システムであるホンダセンシングについて考えてみたいと思います。

新型ステップワゴン SPADAの詳細については公式サイトをご覧ください。

www.honda.co.jp

 

注目すべきはハイブリッドのホンダセンシング

今回のマイナーチェンジにより、ホンダ独自の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が全タイプ標準装備となりました。

車の安全性が重要視される現代においては、全タイプ標準装備というのはユーザーから強く求められていることだと思いますし、実際の安全性のことを考えても必須だと思います。

ホンダセンシングは「Safety for Everyone」という理念のもと開発されたシステムで、2015年発売のオデッセイに初めて搭載されました。それ以来、上位車種から順に搭載され始めましたが、オプション扱いであり、標準装備ではありませんでした。

このシステムのリリースから2年が経過した今年、新たにこのステップワゴンとシャトルシビックでホンダセンシングが全タイプ標準装備となりました。

正直言って、安全運転支援システムの搭載については他社に遅れを取っている感があったので、ここになってやっと本気を出してきたなという感じです。もちろん、同じシステムでも車種ごとに細かいチューニングが必要でしょうから、それに時間がかかったのもあるとは思いますが。

 

ここで、ホンダセンシングの基本機能を見ておきましょう。

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出典:予防安全性能|性能・安全|ステップ ワゴン|Honda

 

基本的にどの車種にも装備されているのがこの8個。

  1. 衝突軽減ブレーキ(CMBS)
  2. 誤発進抑制機能
  3. 歩行者事故低減ステアリング
  4. 路外逸脱抑制機能
  5. 渋滞追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール
  6. LKAS(車線維持支援システム)
  7. 先行車発進お知らせ機能
  8. 標識認識機能

これに加えて、最近フルモデルチェンジされたN-BOXには、後方誤発進抑制機能、オートハイビームが搭載されており、現在のホンダ車の中でもっとも機能が充実しています。あのアコードやレジェンドを超える充実っぷりです。さすが、人気車種ですね。

 

で、今回お話ししたいのは、5番目に挙げている渋滞追従機能付ACCです。

 

「渋滞追従機能付」ACC

ACCという機能はご存知の方も多いと思います。高速などで、速度を設定すればそのあとは速さをキープして勝手に走ってくれるという機能です。前走車が現れれば、ぶつからないように適切な車間距離を取ってくれますし、さらに前走車が遅いようなら、それに合わせて自動で速度を緩めてくれるというものです。高速や、国道のバイパスなど、停車することが滅多にない道をよく通る、という人にはとても便利な機能ですよね。

ですが、今回注目して欲しいのは、ステップワゴン SPADAのハイブリッド車に搭載されたACCはただのACCじゃないということなんです。

そう、今回のは

渋滞追従機能付ACC

なんですよ。

わかりますか?

最初にくっついてる言葉にご注目ください。

「渋滞追従機能付」ACC

なんです。

 

しつこくてすみません。でもここが大事なんです。

今回の新型ステップワゴン  SPADAのハイブリッド車に搭載されたものは、渋滞追従機能付ACCというもので、対応している車速(ACCが作動する車の速さ)が0km/h以上になっています。

これが何を意味するかというと、先行車に追従して走るだけでなく、先行車が停止すると、それに合わせて自分も停止することができるんです。

つまり、渋滞時におけるドライバーの負担が今まで以上に軽減される素晴らしい機能なのです。この機能はステップワゴン SPADAのハイブリッド車以外にも、アコード、レジェンド、シビックに搭載されています。

 

と、ここまで読んで、みなさん疑問に感じたことありませんか?

 

そう

それ以外の車種についてるACCでは停止までしてくれないの?

ということです。

ホンダの人気車種であるフィットやN-BOXなどにもACC自体は搭載されています。ですが、それは上に挙げた4車種とは性能の異なるものなんです。

 

ただのACCと渋滞追従機能付ACCの違い。

「渋滞追従機能付」ACCという表記をするということは、裏を返せば「渋滞追従機能付じゃない」ACCがあるということです。

それが上記4車種以外のホンダセンシング搭載車に装備されているACCです。

何が違うかというと、普通のACCでは、対応する車速が30km/h以上となっているのです。

そのことは公式サイトにもこのように記述されています。

渋滞追従機能付ACCは、0km/h以上で作動します。前方車両に接近しすぎる場合には、ブレーキペダルを踏むなどして適切な車間距離を保ってください。ACCは、約30km/h以上で作動します。急なカーブや加速・減速の繰り返しが少ない、高速道路や自動車専用道路などを運転するときに使用してください。

出典:予防安全性能|性能・安全|ステップ ワゴン|Honda

(文字色はこちらで変更しています)

 

つまりですね、普通のACCでは、完全停止の動作までは行ってくれないのです。

前走車が30km/h以下になると、それに合わせて自分自身もスピードを落としますが、自分のスピードが30km/h以下になると同時にACCは解除されてしまいます。そしてその後のアクセル、ブレーキの操作はドライバーで行うこととなり、前走車が止まる場合も、ドライバーが自らブレーキを踏むことで停止しなければならないのです。

ここが「渋滞追従機能付じゃない」ACCの大きな特徴です。

フィット、N-BOX、ヴェゼル、オデッセイ、フリード、グレイス、シャトル、ジェイドに搭載されているACCは、「渋滞追従機能付じゃない」ACCなので、完全停止はしてくれません。

このこと、意外と意識したことのない人が多いのではないでしょうか。

 

安全性を考えた選択。

普通の「渋滞追従機能付じゃない」ACCも、実際使ってみるととても便利な機能です。私が今乗っている車もこの「渋滞追従機能付じゃない」ACCが搭載されたものですが、これと車線維持支援システムを組み合わせればほぼ自動運転みたいな状態になり、とても快適なドライブを楽しめます。(もちろんドライバー自身でのハンドル操作が前提であり、ハンドルを離したままにするとアラートが鳴ります)

しかし、安全性を追求するなら、渋滞追従機能付を標準にすべきだと私は考えます。

ドライバー自身が気をつけていれば、ACCが解除された後に自分で停止することは可能だとは思います。ただ、高速で長時間渋滞にはまってしまった時は注意力も低下していますし、細かいアクセルやブレーキの操作で疲れもたまってしまいます。そのような注意散漫な状態のでの運転は危険であり、事故が起きる原因にもなります。ですから、きちんと停止まで行ってくれる渋滞追従機能付ACCが搭載されていた方が、事故を防げる確率が格段に上がりますよね。

ホンダの車は好きですし、こうやってホンダセンシングという安全運転支援システムを普及させようとしていることも良い取り組みだと思います。

ですが、「渋滞追従機能付じゃない」ACCというある意味中途半端な性能のまま世に送り出してしまったことは如何なものかなと思います。できれば渋滞追従機能を全ての車に搭載できるだけの技術開発を行ってからホンダセンシングを世に送り出して欲しかったなと思います。現時点で渋滞追従に対応していない車種も、将来的には対応できるのでしょうが、それにはまだ時間がかかりそうですし。

また、そもそもホンダセンシングを発表した際、レジェンド、アコード、オデッセイなどの比較的高級車種から装備し始めたことにも疑問を感じます。価格の高い車は、それだけユーザーも少ないわけです。買える人が少ないわけですから。そういった車種から先に安全運転支援システムを搭載することが本当に「 Safety for Everyone」に繋がるのだろうか、という気もします。まぁ、これは開発の事情もあるので仕方ない部分もあるかもしれませんが。

その点、プロパイロットという安全支援システムを、セレナというファミリーカーに最初に装備した日産の判断は素晴らしいなと感じました。

 

まとめ。

色々なことをいって話が散らかってしまいましたが、まとめておきます。

まず、ホンダセンシングを装備している車でも、渋滞追従機能付ACCとACCの2種類が存在して、

渋滞追従機能付ACC:0km/h以上で作動。前走車に合わせて停止まで行う。

ACC:30km/h以上で動作。30km/h未満で解除され、停止までサポートしない。

という違いがあるということ。これはとても大きな違いだと思いますので、ホンダセンシング装備車の購入を検討している方は、注意すべきポイントだと思います。

 

また、安全運転支援システムについては、より充実したものをユーザーは期待していると思いますし。多少高くなってでも、安全性の高い車に乗りたいと思う人も増えていると思います。各メーカーごとの開発事情や技術力の問題など様々な理由はあるとは思いますが、ユーザーのことを第一に考えた、安全に運転を楽しめる車を作って欲しいなと思います。

 

珍しく車のことについて語っていしまいました。ホンダの車に興味のある方、買おうかなと思っている方の参考になれば幸いです。

ホンダにはかっこいい車がたくさんありますので、ぜひチェックしてくださいね!

そして、新型ステップワゴン SPADA売れるといいですね!ホンダセンシングも充実した今、日産セレナも敵じゃないと思っています!

 

<補足>

記事中でホンダセンシング装備車として挙げているものは、2017年9月現在のものです。今後のマイナーチェンジにより、機能の充実が図られる予定のあるもの、タイプによって装備されていないものなど様々ありますので、詳しくは公式サイトでご確認ください。

以下にリンクを貼っておきます。

www.honda.co.jp