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13th single「愛が呼ぶほうへ」:正真正銘のラブソング【ポルノグラフィティ全作レビュー#48】


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はじめに

こんばんバス!

ポルノは11月リリースの作品が結構多いです。
今日紹介するのは2003年にリリースされたこのシングル!

愛が呼ぶほうへ」作品情報

Title: 愛が呼ぶほうへ
Release date: 2003/11/6

Tracks:
1. 愛が呼ぶほうへ
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ 
2. 夕陽と星空と僕
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ  
3. Hard Days, Holy Night
 作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ

オリコン週間ランキング初登場: 3位(最高位)
累計売上枚数:29.7万枚

作品概要

前作「メリッサ」がロングヒットしている最中リリースされた13thシングル。   CDTVのランキングや、ミュージックステーションのランキングで2曲同時にランクインしていたのがとても嬉しかったです。
そして「愛が呼ぶほうへ」もロングヒットし、24週間もオリコンランキングにランクインしました。  

全曲レビュー

愛が呼ぶほうへ

www.youtube.com

TBS系ドラマ・日曜劇場「末っ子長男姉三人」の主題歌でした。主演は岡田准一深津絵里。   賀来千香子原田知世小雪などの豪華キャストが集結しており、私も見ていましたがなかなか面白かった記憶があります。
ポルノのドラマタイアップの中では当たりの部類に入ると思います。   主題歌ではありますが、曲が流れるのはオープニングで、イントロなしのAメロから始まりCメロ〜ギターソロまで聴ける珍しいアレンジになっていました。  

曲に関してはもうさすが本間さんとしか言いようがない、とても綺麗で、繊細で、でも力強さみたいな暖かさみたいなものも感じるメロディですね。   当時の昭仁の声の調子も考慮しているのだと思いますが、Aメロの歌い出しが結構低いんですよ。
そこからサビでいい気に開けて、とても明るい雰囲気に変わるのがいいですね。   リリース当時は昭仁はピアノを弾きながら歌っていて、ピアノ弾けるんだ!!と感動しました。   "74ers"で披露したときはグランドピアノが用意されて、ステージの真ん中で弾いてましたね。   それ以降は横浜ロマンスポルノでキーボードを弾きながら、アコースティックバージョンで披露した以外は、基本的にハンドマイクで歌っています。  

きっと普通にハンドマイクで歌った方が歌いやすいでしょうし、気持ちも込められるし届けやすいんでしょうけども、個人的にピアノを弾きながら歌う姿がとても格好よかったのでまたいつかやってほしいですね。  

そして歌詞についてですが、これもまたさすが新藤晴一としか言いようがない、秀逸な歌詞になっています。  

愛が呼ぶほうへ」ですよ。   これまで"愛"という抽象的な概念について歌ってきた歌はたくさん合ったかもしれません。   でもそのほとんどは誰かから誰かへの愛の形、言葉や行動を描写したものだったはずです。   曲を聴いた人がそれぞれに「こういう愛の形もあるよね」と解釈するのがこれまでの愛のうただったと思います。  

でもこの曲は違うんですよ。

My name is love

ですから。「愛」そのものの視点で歌われているんですよ。

僕を知っているだろうか いつも傍にいるのだけど  

ほら何度でも出逢っているでしょう  

「愛」自信にそう言われたら、「そうなんだ」と思うしかないですよね。   「愛」という目には見えないものを間接的に表現するのではなく、「愛」の視点で語らせるという斬新な発想。
これは晴一にしかできないアプローチじゃないかと思います。  

これぞまさにラブソングですよね。愛そのものについて歌った歌。  

リリースされた当時、私はまだ中2でしたから、そこまで深くこの曲について考えていなかったですけれども。
時間を重ね、何度も聞くたびに、じわりじわりと心に染みていきましたね。  

本間さんと晴一の才能のぶつかり合いて、とんでもないミラクルが起きる。
それが初期のポルノグラフィティの大きな魅力の一つだったなと思い出しました。

あと、数年前にCDTVスペシャルで、視聴者からの投稿を再現したドラマとともに「愛が呼ぶほうへ」がフルで披露されたんですけど、ドラマの内容がマジでアレすぎて、すごくアレだったのは本当にいい思い出です。

夕陽と星空と僕

五車線道路が本当に存在するのかはわかりませんが、この曲は名曲です。

「Aokage」、「ヴィンテージ」に並ぶ昭仁の初期の名曲ではないでしょうか。  

三人時代の昭仁は、今と比べると作曲を担う割合は低かったですが、その分昭仁のクセみたいなものが凝縮された曲がリリースされていたように思います。   個人的には昭仁の作る曲は、明るいものより、暗いものの方がよさが出ていると思っていて。   なんていうかこう、この人大丈夫なのかな?ってくらい悲観的だったりするじゃないですか、でもそういうちょっと狂ってる感じが良くて。  

この曲は狂ってこそいませんが、終わった恋に対する一途な気持ちというか、募る思いが一気に溢れ出てくる感じがしますよね。  

1番のBメロの後、すぐにサビに行かずにもう1回ABを挟むことによって、サビに到達した時に堰き止めてたものが一気に溢れ出すような印象を与えていると思います。   ファルセットが混ざっているから尚更。昭仁は昔からファルセットが苦手と言っていましたが、ここのファルセットはとてもいい。  

君の形 僕の形 重ねてはみ出したものを   わかり合う事をきっと愛とか恋と呼ぶはずなのに

というのはすごくわかります。
同じ形の人を探してもそんな人はいるわけもなく、結局は相手と自分の違うところをどう受け止めていくかが大事なんですよね。   やっぱり夏がだめだったりセロリが好きだったりするわけじゃないですか。
自分が望む形に変わってほしいと思うのはあまりにも自分勝手だと思うし、そもそもそんなことは無理だと思います。人は変わらないですからね。基本的に。   変化を期待して、変化しなかったことに失望するよりも、変化しないことを前提として、その違いを時間をかけてでも受け入れていくことのほうが大事だと思うんですよ。   というかそうすることでしか、人は寄り添うことはできないと思います。   時間をかけても無理そうなら諦めるしかないと思いますし。諦めどころを見極めるのは難しいですが。

きっと、この曲の主人公は、頭ではわかっているけど、気持ちが追いつかな勝たんでしょうね。
はみ出したものに目を背けて、すれ違うことばかり重ねてしまったんだと思います。

この曲では二人の関係性とか、どれくらい付き合っていたのかとか、具体的なことは描かれていませんが、この別れた後に込み上げてくる感情を、込み上げてくる一瞬を切り取った歌なんだと思いますし、だからこそ聴いた人が自分の気持ちを重ねられるんだと思います。
別れを経験した人なら感じたことのある喪失感とか切なさみたいなものが詰まっているんでしょうね。  

曲も歌詞も好きなのですが、個人的にいまいち理解できないのは  

君の形 僕の形 いつかはその形を変えて
どこかで出会えるはずさ この世界はとても広く
素晴らしい愛があるはずだから

です。

いや、その結論雑すぎませんか?(笑
昭仁って曲の終盤でいきなりスケールのでかいこと言い始めるくせがあって、ものすごい一般論で終わらせるんですよね。
結論としてはまぁそれでいいんでしょうけど、「この世界はとても広く 素晴らしい愛があるはずだから」というのはよくわかりません。
だからなんなんだろう?という気持ちで中2の時から今まで来ています。

また別の恋に出会えるさくらいの意味ですかね.
だとしたら切り替え早すぎるだろという気もしますが、まぁ切り替えないと話にオチがつかないと言われたらそれはそう。

なんというか、このオチの部分だけ、もう少し頑張って欲しかった。

「Hard Days, Holy Night」

ポルノグラフィティ初のクリスマスソング。
インディーズの頃にもクリスマス的な曲があったと思いますが、メジャーデビュー後では初。

本人たちは雑誌のインタビューでアンチクリスマスソングと言っていた気もします。

確かに、去年は朝までパーティしてたけど今年はできてないですからね。

猫が走るほど 忙しい年末に

という歌い出しがなんか可愛いです。猫が好きなのでこのフレーズはとても好きです。

2番のAメロで突然知らないお姉さんが歌い出したので初めて聴いた時はびっくりしました。
SMOOTH ACEというグループがコーラスに参加しており、この女性の声はそのメンバーの一人・重住ひろこさんのものらしいです。(ウィキペディア見ました。)
SMOOTH ACEというのはシングルの歌詞カードにも書いてあったので知ってたんですけど、声の主のお名前が重住ひろこさんというのは知りませんでした。
大人っぽい声ですよね。

そしてこの曲で一番触れておきたいところはこれなんですよ。

五時のベルが...

終電のベル...

Jingle Jingle Bell

このベルの三段活用!!!

これ思いついた時、晴一もきっと嬉しかったでしょうね。

しかも

雨は夜更け過ぎに何に変わるんだったけ?

という山下達郎の影をちらつかせてからの「ingle Jingle Bell」ですから。

トリックに次ぐトリック、まさにハットトリックですよ。

今年もクリスマスシーズンはこれ聴きましょう。

おわりに

愛が呼ぶほうへ」のリリースから19年……そうですか。
中2の秋でしたね。あの頃は好きな音楽にのめり込んでいた時期だと思います。
今思えば、好きな音楽がポルノとハロプロというスタイルは既にこの時に確立されていた気がします。
変わらずに聴き続けているのはこの2つだけですからね。

そして、リリースされた時には誰も気づいてなかったことですが、ここら辺のシングル、2003年のリリースラッシュって、三人時代の活動の末期なんですよね。結果的には。
「メリッサ」がロングヒットして、「愛が呼ぶほうへ」もロングヒットをして追い討ちをかけて、そしてメンバー作曲の「ラック」でオリコン1位をとって、ポルノグラフィティめっちゃ勢いづいてるじゃん!っていう時期だったんですよ。
"74ers"という新しい試みのツアーもやったりして。

この瞬間をもっと目に焼き付けておけよ!とあの頃の自分に言ってあげたい。
そんなことを思いました。

ということで、また次回!



ピアノを弾きながら歌っている昭仁をぜひ見てほしい。