はじめに
こんばんバス!
9月も後半戦に入りました。今日紹介するのはこちら!!
「カゲボウシ」作品情報
Title: カゲボウシ
Release date: 2012/9/19
Tracks:
1. カゲボウシ
作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:馬場一嘉、ポルノグラフィティ
2. やがて哀しきロックンロール
作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 編曲:田中ユウスケ、ポルノグラフィティ
3. ルーズ
作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 編曲:田中ユウスケ、立崎優介、ポルノグラフィティ
オリコン週間ランキング初登場: 3位(最高位)
累計売上枚数:3.9万枚
作品概要
2月にリリースされた「2012Spark」以来7ヶ月ぶりのリリース。
12th LIVE CIRCUIT"PANORAMA×42"の真っ最中にリリース。ツアーでも披露された。
「カゲボウシ」はNHK総合ドラマ・ドラマ10の『つるかめ助産院〜南の島から〜』(主演:仲里依紗)の主題歌。
同じアミューズの仲里依紗が主演のドラマだったため起用されたと思われる。(2018年の『ホリデイラブ』でも「カメレオン・レンズ」が起用されている)
同年末の『第63回NHK紅白歌合戦』でも披露された。個人的には「2012Spark」を披露してほしかった。
全曲レビュー
「カゲボウシ」
ツアーの最中にリリースされる新曲ということで、リリースに先駆けてセットリストにも組み込まれていました。
私もライブに行って初めて聞いた気がします。
2月にリリースされた「2012Spark」とはガラッと変わってかなり落ち着いた雰囲気の、そしてかなりシンプルなアレンジの楽曲になっています。
ドラマのタイアップということもあって、こういう温かみのある曲になったのでしょう。(個人的には同じ時期にドラマ主題歌候補として作られていたという「むかいあわせ」の方が好きです。)
先に言っておきますが、このシングル、カップリングの方が好きです。
もちろん「カゲボウシ」も良い曲だなぁとは思いますが、カップリング2曲が強すぎる。
「カゲボウシ」は、非常にシンプルなアレンジになっているので、昭仁のボーカルと晴一のギターを聞くにはもってこいです。
この曲の昭仁の歌声は、前作「2012Spark」のように突き刺さる感じではなく、心にそっと寄り添ってくれるような、非常に温かみのある歌声ですね。
この時点でデビューから13年たってますが、「アポロ」の頃には出せなかった声だなぁと思います。
特に落ちサビの、MV収録時の生歌がそのまま収録されている部分は必聴です。
あと、この頃の昭仁の髪型かなりちょうど良くて好きです。
あとどうでも良いですけど、この頃、2011年から2012年くらいって、昭仁やたらとくるぶし出してましたよね。
一方晴一はこの曲ではアコギに徹しています。
晴一がシングル曲のメインギターとしてアコギ弾くのっておそらく「ジョバイロ」以来で、かなり珍しいです。
その後もアコギが入っている曲はたくさんあるのですが、晴一がメインでアコギを弾く曲は少ないですからね。
そしてポルノの曲にしては珍しく、ギターの音がよく聞こえます。
このギターも沁みますね。
あとこれもどうでも良いですけど、このMVの晴一の横顔がイケメンすぎる。
背後からぐるりと回り込んでくるのですが、晴一の横顔が見えるところでぜひ止めてみたください。
歌詞についてはあまり言いたいことはないのですが、最後の部分。
夢はもう すぐそこだよ
の「よ〜」は「音のない森」の最後の「へ〜」と同じくらい中毒性がありますね。
はい。
「やがて哀しきロックンロール」
これは名曲すぎないか。
「カゲボウシ」よりもこっちを何回も聞いていました。
なぜこれを表題曲にしなかったのでしょうか。
別にダブルA面シングルでもよかったんじゃないですか?
「カゲボウシ/やがて哀しきロックンロール」でよかったんじゃないでしょうか。
めちゃくちゃポルノグラフィティじゃないですか。
このテンポの速さ、キャッチーなイントロ、キャッチーなサビ、やたらと滑舌のいい昭仁のボーカル、晴一のギターソロがないのが残念ですが、もうこの曲はポルノグラフィティでしかないんですよ。
アニメのタイアップとかついてほしかったなぁ。
明けきらぬ街を行く右手にロックンロール
意味はよくわかりませんが、この「ロックンロール」のところがカッコ良すぎる。
これをもう一回ライブでやってくれたら人生一区切りつく。
自信がある。
「ルーズ」
これも名曲過ぎないだろうか。
この頃の晴一は覚醒していたのだろうか。
これもシングルの表題曲にしてよかったんじゃないですか?
「カゲボウシ/やがて哀しきロックンロール/ルーズ」でもうしっくりしかこない。
近年のハロプロのシングルのようにトリプルA面で全曲MV作ってくれてもよかったのではないかと思います。
歌詞も良いですよ。
形あるものは「いつか」「なぜか」脆く壊れてしまうという
そんなルーズな仕掛けで世界はできてる
この1行目が少し世の中への皮肉のように思えます。
特に「いつか」「なぜか」というわざわざ括弧書きにしているところが。
本当はいつ壊れるかも、なぜ壊れるかもわかっているのに、見て見ぬふりする、見過ごしてしまうようなルーズなところがあるってことなのかなぁと。
そういえば「そんなルーズな」の符割が、"CYBERロマンスポルノ'20 〜REUNION〜"の時には変わっていました。
ここはどちらかというとCDの符割の方が好き。わざとかもしれませんが、昭仁君はたまに素で符割を勝手に変えてることがあるからなぁ。(続・ポルノグラフィティの時の「ドリーマー」Aメロ然り)
この後のサビの昭仁の歌声もカッコ良すぎる。
「僕の声はポップだからロックな曲があまり似合わない」的なことを昔やよく言っていた気がしますが、このサビは歌声はロックシンガーのそれでしかない。
2番のAメロの
内緒にしていたつもりだろう 首元の小さなタトゥー
は歌詞も好きなんですが、昭仁の歌い方も好き。
特に「タトゥー」。
Bメロもいい。
愛は誰かに見せたり まして誇るようなものではなくて
本当にそうですよ。
誰かに見せびらかしたりする物じゃなく、当事者同士で確かめ合えれば良い物なんですよ。
そして2番のサビが特に最高です。
永遠という文字が 何より似合うのは
「さよなら」や「後悔」だけなのかな
ここ。この悲観的すぎる感じが晴一らしい。
そんなことはないよと思うけど、このサビに乗せてそう言われるとそうなのかもしれないと思ってしまう。
そういう説得力があるところが名曲なんですよ。
最後の落ちサビも綺麗ですね。
夜を抜けた街は飴細工みたいに
恋人たちの想い 巻き込んだまま
ここがもう最高。
そして最後にやってくる晴一のギターソロ。泣きのギターとはこのことですよ。
ここまで語ってきたことを全て要約するような、ここだけ聞いてもこの曲を理解できるんじゃないかと思えるような、昭仁くんが4分かけて歌ってきたことを全てまとめたような、圧倒的存在感のあるギターソロ。
これが晴一のギターソロの真骨頂ですよ。
まるで歌っているような、聞いてるこちらも口ずさみたくなるような、そういうギターソロを聞きたくてポルノファンやってますから。
令和の時代にもギターソロを諦めないでほしいなと思います。
名曲です。
"REUNION"で生で聞けた人たちが羨ましい。
おわりに
ということで、シングルとしては非常に完成度が高い作品でした。
カップリングが強過ぎて、1曲目についてはあまり話すことがなかったのが申し訳ないですが。
今からでも遅くないと思うので「やがて哀しきロックンロール」を何かしらのタイアップにしてほしいです。
次回は2011年にリリースされた僕の大好きなあの曲を紹介します!
「やがて哀しきロックンロール」を披露した貴重なライブ映像。