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6th single「アゲハ蝶」【ポルノグラフィティ全作レビュー#22】


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6th single「アゲハ蝶」【ポルノグラフィティ全作レビュー#22】

はじめに

こんばんバス!

2日ぶりの更新です。
最近はかなり暑くなってきて、もうすっかり夏ですね!
ということで、今日紹介するのは夏にぴったりなこのシングル!

「アゲハ蝶」作品情報

Title: アゲハ蝶
Release date: 2001/6/27
Price: ¥1,282(tax in)

Tracks:
1. アゲハ蝶
 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma
2. 別れ話をしよう
 作詞:ハルイチ 作曲:シラタマ 編曲:ak.homma
3.
 作詞:ハルイチ 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma

オリコン週間ランキング初登場: 1位(最高位)
累計売上枚数:91.8万枚

作品概要

2000年12月リリースの「サボテン」以来、約半年ぶりのシングル。
「アゲハ蝶」はエフティ資生堂の「ティセラ・トコナッツココナッツ」のCMソング。このCMにはメンバー3人が出演している。
サウダージ」以来のミリオンセラーを記録。
メンバーの名前がカタカナ表記されている最後のシングル。

全曲レビュー

「アゲハ蝶」

www.youtube.com

2001年を代表する名曲ですね。私は小学6年生でした。
2000年の「ミュージック・アワー」に続いて2年連続で夏の代表曲をリリースしたことで、ポルノ=夏のイメージを持っていた人も当時は多少いたかもしれません。
そして同じく2000年の「サウダージ」に続いてラテンの要素を取り入れた楽曲でもあるため、ポルノ=ラテン系というイメージという印象が定着するきっかけになった曲かもしれません。

私自身は、当時日本テレビで放送されていた「夜もヒッパレ」という番組で誰かがカバーしていたのを聞いて、このシングルがリリースされたことを初めて知りました。
初めて聞いたのが本人の歌唱ではなかったことが多少残念ではありましたが、その後速やかにCDを買いに行きました。

この曲は代表曲すぎますし、有名すぎるので、もう今更私が語ることはないのですが、当時のことを思い出しながら書いてみようと思います。

ポルノはメジャーデビュー2年目でこのシングルを出したわけですが、当時のポルノといえばやはり本間さんの作ったキャッチーな楽曲、圧倒的な歌唱力、ユーモアのある歌詞、これがわかりやすい魅力だったと思います。
ロックバンドと言いながらも、いわゆる普通のロックバンドとは一線を画しているというイメージでした。
普通に打ち込み音源を多用していたり、ロックよりもポップに振り切っている感じがして、そこがとっつきやすいところでもあったと思います。
だからロックにあまり興味のない私でも興味を持って好きになったのだと思います。
「アポロ」、「ヒトリノ夜」、「ミュージック・アワー」、「サウダージ」、「サボテン」というここまでにリリースされた5枚のシングルによって、ポルノは割となんでもありのバンドなんだという印象がありました。
特に「サウダージ」がリリースされたことが大きかったと思います。
ロックバンドを名乗って、「サウダージ」をシングルとしてリリースするというのは、結構チャレンジングなことだと思います。
でもそれがあったからこそ、この「アゲハ蝶」はすんなり受け入れられた気がしますね。
サウダージ」よりもさらにエスニックな要素が強いアレンジになっていますが、「ポルノはこういうのもありだよね」という気持ちで割とすんなり受け止められたんじゃないでしょうか。

テレビで披露している時は、晴一はクラシックギターを引いてますし、Tamaはついにエレキベースウッドベース(コントラバス)に持ち替えていたことに衝撃を受けました。
ベーシストはコントラバスも弾けるのかと、小6の僕は驚きましたね。しかも指で弾いてるし。なおかつコーラスもしてるし。カッコよかったですね。
これ以降、Tamaが脱退した後も、ポルノのサポメンのベーシストはコントラバスが弾けることが大前提のようになっていて、伝統が受け継がれているなと思いました。
ベーシストの人はデフォルトでエレキベースコントラバスどちらも弾けるものなのでしょうか?

とにかくまぁ、到底ロックバンドが出す曲とは思えない個性的な楽曲、それが「アゲハ蝶」だったわけです。
この曲はめちゃくちゃヒットして、2001年の夏は至る所で耳にしました。よく行くローソンで流れてたのを覚えています。

曲はもちろんなのですが、歌詞もいいです。

挙げればキリがないですが、一番好きなのは

終わりなどはないさ 終わらせることはできるけど

ですね。

小学生ながらに、「本当にそうだなぁ」と思いました。

自然に終わりを迎えるものはたくさんありますが、人間が意図的に終わりを設定しているものもたくさんあるなと気付かされました。
その終わりというのは必ずしも明確なものではなく、気持ちの問題だったりします。
「ここまでやったんだから、もう終わりにしよう」とか、「終わったことにしよう」みたいな。
この歌詞を聞いてから、何かを終えるときに、「これは終わったのか、終わらせたのか」を考えるようになりました。
それは言い換えると「続ける余地があることだったのか、ないことだったのか」という問でもあるような気がしています。

仕事や宿題であれば、明確な終わりがあるかもしれません。与えられたノルマをこなしたら終わり、このページまでやったら終わりみたいな。
でもそれだって、本当は自分の気持ち次第で続けようと思えば続けられるのかもしれないですけどね。

サビよりもどこよりもこの部分が一番好きです。

ただ、正直言ってこの主人公がどういう状況に置かれているのかはあまりわかっていない気がします。

進むことも戻ることもできずに
ただひとり舞台に立っているだけなのだから

ということは、それはそれで彼もまた「痛い立ち位置」にいるのかなとおも思ったりしますが。
手の届かない存在、「憧れ」に対する思いを語っているのでしょうけどね。

この曲に関しては昭仁がどう解釈して歌っているのか昔から気になっています。
晴一の歌詞は例えば「ネオメロドラマティック」のように解釈に苦しむものもありますが、「アゲハ蝶」はわかりやすいようで、具体的にどういう状況なのかわからない歌詞なので、昭仁がどういう状況を想定して歌っているのか、いつか教えてもらいたいですね。

「別れ話をしよう」

シラタマが時折繰り出してくるこういう大人っぽい中毒性のある曲には弱いです。
「アゲハ蝶」とはまた違う意味で、「ポルノってこういうのもできるんだ」と思わせる作品ですね。

東京にある雰囲気のいいバーで別れ話をする男女。
煙草を消したら、この氷が溶けたら、その別れのタイミングを見計らいつつも、女の人が今後別の人と恋をしたら……と勝手に嫉妬する男性の気持ちがかなりわかりやすく描かれています。
晴一の歌詞にしては珍しく、かなり具体的な描写が多いので、小6の私でもこの曲の場面が割と簡単にイメージできました。
もちろん東京ってにおいのするBarなんて当時は行ったことないですい、今も行ったことはないですけど。
でも、大人の男女が行きそうな、おしゃれなバーで、別れ話をするというのは小学生にでも想像できる設定でした。

この2人は、もう別れることは決まっていて、本当に区切りをつけるためにこのバーに来たんですよね。
理由はわからないけど、何かしらのきっかけや、もしくは積み重ねてきたものがあって、別れるしかないという状況になったんでしょう。

微笑みさえ 消すのは僕

とあるので、もしかしたら多少は「僕」に非があるのかもしれません。

「別れ話をしよう」とありますが、一体何を話したのかは具体的には説明されていません。
僕の勝手なイメージですが、きっとそんなに多くの言葉は交わしていないと思います。

バーボン2杯を飲むくらいの時間、そして2杯目の氷が溶けるまで一緒にいたのだとしたら、1時間とかそれくらいでしょうか。
バーボンってあのどっしりとしたグラスで飲むやつですよね。

きっと1時間くらい、お互い多くは語らず、意思確認程度の言葉を交わして別れたんじゃないかなぁと思っています。
そもそも最初は煙草を消したら席を立とうと思っているくらいですから、そこまで話すつもりもなかったでしょうし。

少しの未練を残して店を出る2人。

また巡り逢うには 東京は広すぎる

それは本当にそうかもしれません。

「狼」

「アゲハ蝶」と表題曲の座を争ったとされる曲です。
こちらも確かに夏っぽいですね。
ただ個人的には「アゲハ蝶」をA面にしてよかっと思います。
「狼」ももちろんいい曲なんですけども、シングルとしてのインパクトは「アゲハ蝶」の方が強いかなと。

この曲は初めて聞いた時、「なんだこの歌詞は」と思いました(笑

この男随分自分勝手だなと。

「別れ話をしよう」の彼もちょっと自分勝手なところがあるなと思ったのですが、彼女側の言い分が全く出てっこないのでなんとも言えませんでした。

でもこの曲に関しては、初っ端から

男なんてララララ 信じない方がいい

と開き直ってますから。

しまいにゃ

最後の恋だとまた見間違ったね You'er a loser

ですって!?
騙したのはお前じゃろがい!!!

という話ですよ。

なのに最後になって

男なんてララララ 女もララララ
何度泣き濡れても 懲りないものね
騙して騙されても 狼の狂宴

て、何ちょっとお互い様みたいな流れに持ち込もうとしてんだよ!!

そのその開き直り具合に呆れますが、

悲しきは残された 僕のこの純情

とありますから、まぁ本当に好きだと思える人に出会ってしまったんでしょうかね。

ひと夏の恋が、最後の恋になる……のでしょうか。
個人的にはこういう男はやめておいた方がいいと思います。

おわりに

歴史に残る名曲のリリースから21年が経ちました。
このシングルは今聞いても本当に色褪せない。
やはり曲自体のクオリティが高いからというのはもちろん、色褪せることが難しいほどに当時の思い出がぎっしりと詰まってますから。
油絵具だかアクリル絵の具だかわかりませんが、めちゃくちゃ濃い絵の具を何重にも塗りたくってるので、色褪せようがありません。
このシングルは夏です。

「別れ話をしよう」に至っては明確な季節設定はないのですが、1曲目と3曲名とリリース時期の影響で夏のイメージがついています(笑

今年の夏も、このシングルを何回も聞くことでしょう。

明日は、ポカリのCMでお馴染みのあの曲!お楽しみに!!



「アゲハ蝶」は色褪せていませんでした。