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23rd single「あなたがここにいたら」【ポルノグラフィティ全作レビュー#5】


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23rd single「あなたがここにいたら」【ポルノ全作レビュー#5】

はじめに

こんにちはリンクです。
2月は豊作なので、ものすごくこまめに記事を書く羽目になっています。
でもこれで記事を書くことが習慣化されるのでいいかなとも思っています。

前回は「瞳の奥をのぞかせて」という若干マニアックなシングルを紹介しましたが、今回もかなりマニアックなシングルを紹介します。

もう14年も前の作品になるなんて、信じられない。通りで年をとるわけです。
ということで、早速言ってみましょう。

あなたがここにいたら」作品情報

Title: あなたがここにいたら
Release date: 2008/2/13
Price: ¥1,282(tax in)

Tracks:
1. あなたがここにいたら
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
2. ホール
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
3. オニオンスープ
 作詞:新藤晴一 作曲:新藤晴一 編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ

オリコン週間ランキング初登場: 1位(最高位)

作品概要

あなたがここにいたら」は上野樹里さん主演の映画「奈緒子」の主題歌になっています。
ちなみにこの映画については、マラソンランナーが主人公の映画ということしか知りません。すみません。
ポルノグラフィティにとっては初めての映画主題歌です。
まぁ上野樹里さんもアミューズだし、そもそもアミューズが制作に関わってる映画なのでオファーされたのでしょう。
この2008年は、結果的に3曲が映画主題歌に起用されたかなり珍しい年です。

オリコンランキングでは「Winding Road」以来2作ぶり、1年4ヶ月ぶりの1位を獲得しました。
現時点でこれが最後のオリコン1位獲得シングルですね。

元々は2/14、バレンタインデーの日に発売の予定でしたが、後に2/13に変更になっています。

全曲レビュー

あなたがここにいたら

www.youtube.com

曲・アレンジについて

本間さんが作曲したバラード曲、しかもシングルとなるとこの曲と「ヴォイス」、「愛が呼ぶほうへ」ぐらいしかないんじゃないかなというくらいレアですね。
ストリングスの効いたアレンジと、スライドバーを使ったイントロが印象的です。

本間さんのバラード曲って結構薄味な曲が多いなと思っていて、名曲と言われる「愛が呼ぶほうへ」もキャッチーで耳に残るというよりじっくり何回も聴いて染み込んでくる感じの曲ですよね。
あなたがここにいたら」も個人的には同じ系統の曲で、メロディが特に好きというわけではないんですが、アレンジとか歌詞とか諸々が噛み合ってすごく好きな曲になっているという感じです。

このシングルをリリースした前年の2007年は「リンク」しかシングルを出しておらず、7か月ぶりのリリースだったため、かなりワクワクしていたのですがまさかのバラードで肩透かし食らったのを覚えています。
全然いいんですけどね。
ただ、ヒットした「ハネウマライダー」以降、「Winding Road」→「リンク」→「あなたがここにいたら」という流れだったので、世間的には地味な曲が続いてるだろうなぁと思っていました。
実際、ファンじゃない方だと「ハネウマライダー」で止まってる方も多いですし。

でも前回も書きましたが、この頃のポルノ、特にアルバム「ポルノグラフィティ」をリリースしてからは新しいポルノを作り上げようと模索していたように感じます。
そういう時期であったことと、タイアップもあって、本間さんはあえてこういうストレートなバラードを書いて新鮮さを狙ったのかもしれませんね。

おかげで僕は、高校生活終了間際の非常に辛い時期にこの曲に出会えて救われたわけですが。

そういえば、この曲は1番と2番の間にギターソロがあるんですが、CD音源ではその前半を昭仁が弾いているとうことで、昭仁のギターソロが聴ける貴重な曲になっています。

歌詞について

あなたがここにいたら」というのは、仮定法ですよね。
現実とは反対のことを言うのが仮定法です。

- 今日晴れたらよかったのになぁ(実際には晴れてない)  
- もっとお金もだったらなぁ(実際にはお金持ちじゃない)  

こんなふうに現実とは反対のことを仮定して、今の自分の気持ちを述べるのが仮定法です。
つまり

- あなたがここにいたら(今はもうここにいない)

ってことなんですよね。
英語だと

- If you were here

でしょうかね。

冬の公園 夜のバス停 校庭 帰り道
あの流行語 残った花火 海岸 回り道

「あなた」と一緒に見たものや、過ごした場所、時間を並べることで、逆に今「あなた」がここにいないことを噛み締めているようにも思えます。

町の景色も 移る季節も
あなたの背景だったのに

あなたがいれば、それ以外のものは大したものではなかった。そう言う思いが込められているのだと思います。

この後にくるサビでも言っていますが、主人公はきっとあなたと離れ離れになるなんて考えもいなかったでしょうから、それはもうショックだったでしょうね。

僕の真ん中にあなた
あなたを巡って回ってた日々
日々に終わりなどあるとは知らずにいたよ
それは吹き抜けた 疾風

「あなた」、「日々」と言う言葉でつながっているサビのフレーズが印象的です。
同じ言葉が繰り返されることで、主人公の頭の中にはあなたといた日々のことがぐるぐる巡っているんだろうなぁという感じがしますよね。

この主人公がなぜ大切な人を失ったのかは分かりません。
大切な人が誰だったのかも分かりません。
恋人との単純な別れかもしれないし、家族が亡くなったかもしれない、友人が遠くへ旅立ったのかもしれない。

どんな状況であれ、自分にとて大事な「あなた」が目の前からいなくなった時には、みんなこう言う気持ちになるんじゃないかなぁと、それくらい普遍的な気持ちを歌っているじゃないかな……と勝手に思っています。

一番好きなのは2番Bメロの

今もあなたがここにいたらと 不甲斐ない僕を責めるかい

そんな、自分で自分の心をえぐるようなこと聞くなよ、と思ってしまいますが、ここで聴いてしまうのが晴一なんですよね。

すぐ自分を蔑んで、「〜〜かい?」って聴いちゃうんだから。

最後のサビの

さよならばかりが人生

と言うフレーズも印象的です。そこまで悲観することにはないのに。
さよならするってことはそれだけ新たな出会いを経験してきたってことなんだから。

何かのインタビューでこのフレーズをタイトルにしようかとも思ったと晴一は言ってましたが、「あなたがここにいたら」にしてよかったと思います。
「さよならばかりが人生」だったらストレートすぎるし、ちょっとダサいですもん。

と言うことで、この歌詞は本当に素晴らしいです。

何度でも聴きたくなるし、読みたくなる、晴一らしい歌詞だと思います。

「ホール」

これ初めて聴いた時、みんなDeep Purpleの「Smoke on the Water」だと思いましたよね?(笑

作曲した昭仁は、全然そんな風に思ってなかったとどこかで言っていましたが、それを聴いた私はマジかよ、と思いました。

ポルノの2人は結構洋楽に影響を受けている部分がありますし、意識的に洋楽の要素を取り入れてる曲もありますが(「ライオン」や「ラスト・オブ・ヒーロー」など)、こう言うふうに素で洋楽フレーズ全開なやつもあるのが面白いですよね。
もちろん全体を聞けば全く違うんですけども。

ポルノにしては珍しい曲調ですが、昭仁らしさ全開な曲ではあると思います。
全然違うけど、サビに「惑星キミ」っぽさを感じました。

この曲は歌詞がどうこうとかあまり言うことないですが、カラオケで歌うとめちゃくちゃ気持ちいいですよ!

俺とお前で穴蔵ダンシング

と言う意味不明なフレーズも、その後の「ギター!!」も、そして最後のシャウトもね!!

これはもうぜひカラオケで歌ってください。

「オニオンスープ」

この曲は好きです。
晴一君の書くこういう曲が好きなんですよ。

僕らが難しい顔で抱え込む あれやこれやなど美味しい時にかなわない

この曲で言いたいことはこのフレーズにつきます。

この曲をリリースする数年前にブログでそんなことを言ってたんですよね。

……って、その記事を見てくださいと言おうと思い、晴一のブログを検索したら、

なくなっとる!!!!!

マジかぁ、知らなかったー。1年以上前に削除してたんですかね。

近くのカフェの美味しい魚の定食を食べて、美味しいものを食べるだけで日頃の悩みなんて晴れるんだ、みたいなことを書いてた記事だったと思うのですが。

残念です。

美味しいものに癒される時間って、幸せだし、その瞬間は嫌なことも忘れてしまいますよね。
その幸せが長続きするほど美味しいもの、食べてみたいですね。

おわりに

あなたがここにいたら」、略して「あなここ」の感想だけやけに長くなってしまいましたが、それだけ思い入れのある曲なのでお許しください。

この曲のリリース時に「ミュージックステーション」に出て、フルサイズで歌ってたんですが、この頃ってMステの待遇かなりよかったですよね。
「リンク」もフルサイズで披露してた気がするし。
大物になりかけてた頃ですね。

あと全然関係ない話ですが、「あなたがここにいたら」が主題歌になった映画「奈緒子」ですが、挿入歌をRYTHEMが担当していてすごく嬉しかったです。当時好きだったので。
好きなミュージシャンが主題歌と挿入歌を担当すると言う奇跡ですよ。「首すじライン」も名曲なのでぜひ聴いてみてください。

それでは、また次回。 次回は、ついにアルバムです! お楽しみに!