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35th single「2012Spark」【ポルノグラフィティ全作レビュー #3】


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ポルノグラフィティ全作レビュー#3 2012Spark

はじめに

前回の「渦」からわずか3日ぶりの更新です。
本日2月8日は「2012Spark」の発売日ですね! 発売からもう10年も経つなんて信じられません。割と最近の曲だと思ってる自分がいます。
もう2022Sparkですからね……。早すぎる。

ということで、早速行ってみましょう。

「2012Spark」作品情報


Title: 「2012Spark」
Release date: 2012/2/8
Price: ¥1,282(tax in)

Tracks:
1. 2012Spark
 作詞:新藤晴一 作曲:岡野昭仁 編曲:tasuku, ポルノグラフィティ
2. 9.9㎡
 作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁 編曲:江口亮, ポルノグラフィティ
3. ハネウマライダー 〜幕張Ver.〜 Studio Session
 作詞:新藤晴一 作曲:ak.homma 編曲:馬場一嘉, ポルノグラフィティ

オリコン週間ランキング初登場: 3位(最高位)

作品概要

2011年9月の「ワンモアタイム」からのリリースラッシュ第3弾的なシングル。
この頃は9月(ワンモアタイム)→11月(ゆきのいろ)→2月(2012Spark)と2ヶ月おきにシングルリリースしていたので、すごく頑張っていたなという印象です。テレビにもよく出てましたね。
表題曲の「2012Spark」は人気ゲームを映画化した「逆転裁判」(同年2月11日公開)の主題歌でした。
逆転裁判」は僕も好きな映画だったので、まさかのコラボレーションで当時とても嬉しかった記憶があります。

あと個人的な話ですが、これが僕の大学時代最後のシングルですね。

全曲レビュー

「2012Spark」


www.youtube.com
東日本大震災が起こった2011年。それ踏まえた2012年に生きていくんだという決意が込められた曲です。
この頃のポルノにしては結構ロックな楽曲であり、「逆転裁判」で繰り広げられるスリリングな法廷バトルのイメージにぴったりな1曲になっていると思います。
ポルノのタイアップ楽曲の中でも結構作品に寄り添ってる方じゃないでしょうか。
僕も映画を公開当日に見に行きました。映画自体の面白さはここではあえて語りませんけど、曲はすごく良かったです。
映画の最後に「2012Spark」が流れた時、とても救われた気持ちになりました。
「良かった、最後にポルノの曲が流れて」と思いました。
(正直、桐谷美玲が真宵ちゃん役なのは全くしっくり来ませんでした。)

それはさておき曲について話しましょう。
サビのメロディ自体は結構前からあって、8thアルバム「∠TRIGGER」のに収録されている「ロスト」のアウトロで昭仁が弾き語りしてるのがサビのメロディなんですよね。
「ロスト」は割と好きな曲でよく聴いてたのですが、このアウトロ部分がなんとも怖いなと思ってました。確かアルバムが逆再生された音が入って、その後に昭仁の弾き語りがくるんですよね。
曲の内容が内容だけに、なんかちょっと怖いなと思ってましたが、こんなロックな曲になってリリースされるとはあの時は思ってませんでした。

この曲を初めて聴いた時は、「めっちゃスペークって言っとる!」と思いました。「Spark」を「スペーク」と発音してるのはわざとだとカフェイン11で晴一さんが説明していました。

この頃ぐらいから昭仁さんのボーカルがめっちゃ絶好調になってきて、やたらとハイトーンを攻めるようになってきたんですよね。
ワンモアタイム」も結構苦しいですし、「ゆきのいろ」も決して楽ではないです、それに続いてこの「2012Spark」ですよ。
カラオケで歌うと、Aメロはいいんですが、Bメロあたりで怪しくなってきて、サビで命の危険を感じます。
「優しくなりたければ 強くあれ」の「あれ」 ですよ。 調子良くない時に歌うと本当に「あれ?」って感じになってしまいます。

そして2番終わりDメロの
「勝負はいつも水心 ふーーーーー」の「ふーーーーー」
です。
ここはもう裏声をどれだけ強く出せるかの戦いになってきます。

そんでもった一番最後のサビ。
転調しますからね。
「それがこの時代だとか言われたら」からは死を覚悟しながら歌ってます。
「誰のための時代か問うたなら」の「ら」を乗り越えれば無事生還です。
と、油断してたら最後の「リルスパーーーーーーーく」にやられてしまう。  

そういう非常にスリリングな、命懸けで歌わなければならないのがこの「2012Spark」という曲ですよ。
これを自分で作って自分で歌ってるんですから、岡野昭仁というボーカルはドMでありドSですね。

でもこれをライブで中盤とか終盤で普通に歌ってるんだからやばいです。

「PANORAMA×42」の映像がこちら↓

www.youtube.com

「CYBERロマンスポルノ'20 REUNION」の映像がこちら↓

www.youtube.com
どちらもやばいです。
REUNIONの時は晴一さんがイントロのチューニングミスってたり、昭仁さんが歌詞間違いして「気楽なアプリ」が2回登場したりとかなりレアな映像になっています。
ただ個人的には、この曲のかっこよさはスリリングなストリングスが鳴ってるところだと思うので、「PANORAMA×42」の方が好きですね。  

そしてこの記事書くためにYouTubeを検索して気づいたんですが、公式さん「2012Spark」上げすぎじゃないですか(笑
もともと上がってるShort ver.と期間限定公開(いつまでか知らんけど)のフルバージョンと「PANORAMA×42」、そして「CYBERロマンスポルノ'20 REUNION」。4種類も上がってる。
好きな曲なので嬉しいです。ありがとうございます。

個人的に「ワンモアタイム」と「2012Spark」は2人になってからの代表曲だなと思っています。(他にもあるけど)
この2011年〜2012年という時期に出されたシングルの中でも、すごくパワフルで、かっこよくて、ポルノらしさもあり、新しさもあり、みたいな。
ファンじゃない人にも結構気に入ってもらえる曲ですよね。

こういうポルノグラフィティが見たかったんだよな、と改めて思わせてくれた楽曲でした。

歌詞についても、それまでの晴一にはなかった設定ですよね。2012年を自分の時代だと思ってしっかり生きていこうという熱い気持ちが込められています。
「CYBERロマンスポルノ'20 REUNION」でも歌われたように、社会全体が混迷している今のような時期に、その暗く淀んだ気持ちを吹き飛ばして、それこそSparkさせてくれるような、新たな決意をして前に進ませてくれるような、力強い歌詞が魅力的です。  

もう10年も前に書かれたのに「気楽なアプリ」がいまだに画面を埋め尽くしている世の中なのはなんかちょっとすごいなと思いました。この曲が出た当時はスマートフォンが普及している真っ最中の時期でしたね。ガラケーからスマートフォンに変えたという人がまだいた頃だと思います。

「修羅場を演じる時代劇のど真ん中に立ってるみたいだ」とありますが、どんな時代でも時が過ぎれば過去になり、時代劇の舞台になってしまうんですよね。もちろん10年前くらいでは時代劇とは言えないですが、いつか今生きてる時代も時代劇の一幕になるんだってことを言ってるのかなと思いますし、「今」という時代をそういう風に俯瞰的に見れている晴一さんすごいなと思いました。

とにかく、この曲を聴いて2022もSparkしていきたいです。

(そういえば、まだ年賀状を書いていた頃、必ず「20xxSpark」って書いてたな。)

「9.9㎡」

この曲って結構好きな人多いんじゃないかなと思うんですがどうですか?
僕は結構好きです。歌詞も昭仁らしい。
昭仁ってこういう夢追いかけながらも燻ってる、煮え切らない主人公描くの好きですよね。
曲調は全く違いますが「ダイヤモンド」の主人公とか。
どちらもデビュー前の、燻っていた頃の自分の気持ちとかをもとに書いているとは思いますが。

この曲の好きなところは2番終わりのDメロで

大きな海原 優雅に漂ってる

ってところです。 この頃の昭仁くんはDメロで話を壮大に広げるのが好きだったんですよ。
「君は100%」の

大きな帆を立て航海に出よう ガイアの果て

とか。

あとは細かいですが、1番Bメロ終わりの

激しい恋もやってこない

の「やってこない」の歌い方ですね。

「やぁあってこーなーい」になってること。この「あ」の母音を強めに足してしまう典型的な昭仁歌唱になってるのが昭仁ファンにはたまらないです。
「あ」を付け足してるシリーズを挙げるだけで記事にできそうなくらいです。

そしてさらに細かいですが、サビでカウンターメロディ的に鳴っているギターのフレーズもかっこいいです。
こういうフレーズはもう覚えちゃいますからね。車で聞いてたりするとサビではなくこちらのギターの方を歌ってしまいます。

それにしてもこの主人公が住んでいる部屋の壁はかなり薄いのでしょうね。きっと木造なんですかね。
「9.9㎡」というタイトルになる前は「薄い壁のワンルーム」というタイトルで公式サイトにも掲載されていましたし。
「薄い壁のワンルーム」はなんとなくインディーズの頃のポルノみたいなダサさがあって好きでした(笑

ハネウマライダー 〜幕張Ver.〜 Studio Session 」

"幕張ロマンスポルノ'11 ~DAYS OF WONDER~"で披露されたアコースティックバージョンを再現したスタジオセッションになっています。
正直に言うと、この記事を書くためにめちゃくちゃ久しぶりに聴きました。   やっぱ「ハネウマライダー」は原曲の方がいいよねと言う思いから、自ら意識的に再生することはない曲でした。
でも今改めて聞くといいでですね。
原曲はすごく爽やかで疾走感があって、勢いに任せて新しい場所に連れて行ってくれるイメージなのですが、この幕張Ver.は爽やかさはそのままに、少し大人びた雰囲気で、子供の自分をまだ知らない大人の世界に連れて行ってくれるような、そんな気持ちにさせてくれます。
本来であれば歌い上げるサビ終わりを、あえて落としているのもポイントですね。
たまには聞いてみようかなと思いました。

おわりに

と言うことで、35thシングル「2012Spark」のレビューでしたがいかがでしたか?

このシングルがリリースされた10年前の今頃、僕はちょうど大学卒業間近の時期でした。
卒論の提出に追われて慌ただしい日々を送りつつも、研究室のみんなとそれなりに楽しく過ごしていた気がします。
この時間がもうすぐ終わってしまうんだなぁと言う気持ちもありつつ、春からの生活に対する不安もありつつ、その他いろいろな思いが混じりあっていた時期でした。
そんなタイミングで、2012年をSparkさせるんだ!と気持ちを奮い立たせてくれたのがこのシングルでしたね。
学生時代を青春と定義するなら、その青春のエンディングを飾ってくれたのが「2012Spark」でした。
あれから僕はどれだけSparkしてこれたのでしょうか。まだまだSparkしきれていない気もします。

何度でもこの曲を聴いて、ひとまず2022をSparkさせていきたいと思います。

次回は2月リリースのシングル第3弾のあの曲です。2月はたくさん記事を書いていきますよ!
お楽しみに!


「2012Spark」が初披露時のライブパフォーマンスが見られるのはこちら!